完全なるバカミス。バカの合わせ技。バカの波状攻撃。
「さあ、騙されてやるぞ」と意気込んで読んだが、全く予想外の角度から「やられた」 あまりに下らなすぎて笑ってしまった。
双子の館『黒鳥館』と『白鳥館』
雰囲気たっぷりの館もの。ネーミングもいいじゃないですか。
最初から「犯人はこいつだ」とか「こういう類いのトリックではない」だとか細かく説明が加えられ、手の内を明かしていくのでイヤでも警戒してしまいます。
警戒してたんですけどね。
ある瞬間、自分の中の世界のイメージが崩壊し再構築されました。
しかし、こういう崩壊のしかたってあるんですね。
そしてベクトルを変えたバカの第二波、第三波、第四波。
くだらない事に魂削って大丈夫か? と心配してしまいます。
でも、これって泡坂妻夫先生の某作品に匹敵する凄さなのでは。
バカ、バカと書いてしまいましたが伏線や構成は緻密なんですよね。なんか力の入れ方が間違ってるなぁ。そこが味なんですけど。
個人的には『目的のためだけに館を造るって、どんだけ金使ってんだよ。こういうミステリにそこ突っ込んじゃダメか?』なんて思ってましたが、読了後に納得してしまったのが自分で可笑しかったです。
結構力を入れて感想を書いてしまいました。案外好きなのかなぁコレ。いつの間にか気になるアイツって感じです。
時間とお金とココロにゆとりがある時に読んでください。
バカミスと知らずに読んで怒りだす人がいるかもしれませんから。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ(国内)
- 感想投稿日 : 2012年5月7日
- 読了日 : 2012年5月7日
- 本棚登録日 : 2012年5月7日
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