三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社 (2009年9月8日発売)
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本棚登録 : 313
感想 : 63
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完全なるバカミス。バカの合わせ技。バカの波状攻撃。

「さあ、騙されてやるぞ」と意気込んで読んだが、全く予想外の角度から「やられた」 あまりに下らなすぎて笑ってしまった。

双子の館『黒鳥館』と『白鳥館』
雰囲気たっぷりの館もの。ネーミングもいいじゃないですか。
最初から「犯人はこいつだ」とか「こういう類いのトリックではない」だとか細かく説明が加えられ、手の内を明かしていくのでイヤでも警戒してしまいます。
警戒してたんですけどね。
ある瞬間、自分の中の世界のイメージが崩壊し再構築されました。
しかし、こういう崩壊のしかたってあるんですね。

そしてベクトルを変えたバカの第二波、第三波、第四波。
くだらない事に魂削って大丈夫か? と心配してしまいます。
でも、これって泡坂妻夫先生の某作品に匹敵する凄さなのでは。

バカ、バカと書いてしまいましたが伏線や構成は緻密なんですよね。なんか力の入れ方が間違ってるなぁ。そこが味なんですけど。
個人的には『目的のためだけに館を造るって、どんだけ金使ってんだよ。こういうミステリにそこ突っ込んじゃダメか?』なんて思ってましたが、読了後に納得してしまったのが自分で可笑しかったです。

結構力を入れて感想を書いてしまいました。案外好きなのかなぁコレ。いつの間にか気になるアイツって感じです。
時間とお金とココロにゆとりがある時に読んでください。
バカミスと知らずに読んで怒りだす人がいるかもしれませんから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(国内)
感想投稿日 : 2012年5月7日
読了日 : 2012年5月7日
本棚登録日 : 2012年5月7日

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