【自空を求めて】さんの感想・レビュー

最悪の将軍

著者 : 朝井まかて

• 集英社 (2016年9月26日発売)

この一行のためにこの本ありというほどの言葉して言葉なしの名言。 「徳川右大臣綱吉は断じて最悪の将軍にあらず。天よ、あなたがそれを知らぬとは言わせぬ」　将軍綱吉、妻信子の生き方を通じ人を愛し慈しみ敬うという人生における大切なものを、まかてさんの筆に乗っていると痛感させられる。 文章の中にさりげなく置かれている言葉にも心を打ち胸をおどらせ目頭を熱くするするものが随所に散りばめられている。史実としての将軍綱吉から生類哀れみの令そして悪印象の発想を打ち消し、人間味溢れた素晴らしい将軍という像を描い筆力に改めて脱帽

感想投稿日 : 2017年4月22日

本棚登録日 : 2017年4月22日