逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社 (2005年9月1日発売)
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渡辺京二は亡くなったときも、熊本日日新聞に「小さきものの近代」を連載中だった。92歳だった。ずっと気になりながら積読だった本を、哀悼の意を表して読んだ。幕末から明治初頭、西洋人は日本に来て何を感じたのか。百以上の文献をもとに感想をありのままに紹介している。そんなに昔は良かったのかという反論も承知の上で、本人はことさら江戸時代を美化しているわけではない。それでも『幻のえにし』では、「江戸時代は情があり、日本人はみな機嫌がよかったのよ。お互い気を使って、いかにしてこの世から不愉快なことを減らそうかとしていて、西洋人がびっくりした
くらいだったのよ。」と語っている。日本人のもっとも芳しい精神が逝ってしまったのだ。う~む。宿題を残してくれましたね。
(Recommended by Satsuki Tanaka)

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感想投稿日 : 2023年6月24日
本棚登録日 : 2023年3月11日

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