街場の憂国論 (犀の教室)

著者 :
  • 晶文社 (2013年10月5日発売)
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感想 : 54

内田さんのブログやその他書き物の中から「政治ネタ」だけを選んで編んだアンソロジー。面白かったー。
前に内田さんは「自分の書いたものはネットで無料で読めるのに、どうしてお金を出してそのネットに書いたものが載っている本を買ってくれる人がいるのか」ということを書いていた(と思う)けれど、「本」という再編集された形で関連性を意識しながら読むとまた新たな発見があるからだと改めて思いました。

「憂国論」というだけあって、未来に夢も希望も無い話が多い。だけれども「最悪」を想定して、そこからどう現状や未来を変えていくのかという視点はとても大切だと思うので、そういう意味で「他の人が書かないような変なこと」が満載のこの本は一読の価値があるのではなかろうかと思いました。

政治も教育も何もかもが「長期的な視点」を見失って、とりあえず「目先のこと」、「短期的な結果」を追い求めるようになっている傾向はとても興味深い。実際仕事しててそう思うし。以下特に印象の残ったところ。

「本来企業が経営努力によって引き受けるべきコストを国民国家に押しつけて、利益だけを確保しようとするのがグローバル企業の基本的な戦略」(p25)

「学校教育の目的は金が稼げる知識や技能を習得させることじゃない」(p305)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年11月3日
読了日 : 2013年11月3日
本棚登録日 : 2013年11月3日

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