おもしろい話が読みたい!(ラブリー編) (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社 (2010年7月15日発売)
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本棚登録 : 164
感想 : 7
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“「手伝うよ。」
言葉がするりとすべりでた。
「あたしも手伝う。いっしょに探そう。ううん、手伝いたい。手伝わせてよ。悠、お願い。」
素直に言えた。心をいつわらず言葉にできた。どうしてだろう。
悠の瞳が真剣で、美しかったから。
それもある。
宝捜し、謎めいたハガキ、そんなものがおもしろそうだったから。
それもある。
しかし、それだけではなかった。楓子は感じたのだ。人の心を、人の心の美しさや悲しさを、感じてしまった。悠とともに一歩踏みだしたら、なにかに出会える。そうも感じた。
「いっしょに探そう。」”

あさのあつこ「12歳-夏の終わるまでに-」
越水利江子「ずっときみを愛してる」
小林深雪「君の名前を呼びたい 「泣いちゃいそうだよ」番外編/小川蘭中学三年生最後の春休み」
服部千春「恋はショパンの調べにのって? 「四年一組ミラクル教室」外伝・原田美奈子の場合」
令丈ヒロ子「若おかみは小学生・男子!?」

楓子と悠のシリーズは、やっと続きが出たって感じ。
どれも恋愛ちっく物。

“くりんと丸い目をひっくり返して、男の子もその浅黒い顔を寄せてくる。
おっこが、右手をあげると、その男の子もあげた。しわだらけの青いチェックのシャツに、ひざのところが白くなったジーンズをはいている。ポケットからは、タオルハンカチがくちゃくちゃになってはみだしていた。
「関さん、あなたも男の子になっちゃったみたいね。」
腕組みをして、少年が言いはなった。
「えー!」
おっこは悲鳴をあげた。やはり野太い声だった。
「なんで?どうして?ええー?そ、そういえば、あたしと同じような服装だし、ええー?」
おっこは自分の手を見て、体つきを見て、顔をさわった。
「お、男の子だ!本当に男の子だわ!」”

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書本
感想投稿日 : 2010年9月14日
読了日 : -
本棚登録日 : 2010年9月14日

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