以前知人が、横浜出身の私に「ヨコハマといったら買い出し紀行だよ」と熱心に語ってくれましたが、どんな話かと聞くと、<主人公はロボット><地球が滅亡に近づいている近未来><説明無く淡々と話が進む><あんまりヨコハマの意味なし>ということで、特に心に響きませんでした。
実際に読んでみたら、確かに説明のとおりですが、独特の世界観がとても心地よく、すっかり物語にひたれました。
主人公は、ロボットのアルファ。オーナーから喫茶店をまかされて、一人で切り盛りをしています。
このオーナーが謎の人物で、店を任せて旅に出ているようです。
喫茶店があるのはどうやら鎌倉のようです。
時々、スクーターに乗って横浜までコーヒー豆の買出しに行き、それがタイトルになっているようです。
近未来の話なのに、どこかノスタルジックな香りのするのんびりした物語。
背景が白めなところや、ダイナミックな構図や絵柄が『エマ』を連想させます。
彼女が弾く月琴に、興味が湧きました。
また、毎年お風呂で年越しをしてしまうというところが、私とかぶって、妙に人間ぽくて笑えました。
ほとんど客がこない喫茶店で、アルファが「コーヒーの8割を自分が飲んでいる」といいながらほのぼのしているところに、また笑えました。
気になる作品です。読んでこそ、知人が気に入っていた意味がようやく分かりました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
comic
- 感想投稿日 : 2010年12月19日
- 読了日 : 2010年12月18日
- 本棚登録日 : 2010年12月19日
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