日本の品種はすごい-うまい植物をめぐる物語 (中公新書 (2572))

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  • 中央公論新社 (2019年12月17日発売)
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ジャガイモ、ナシ、リンゴ、ダイズ、カブ、ダイコン、ワサビの七種を「採り上げ」て、うまい品種の歴史をわかりやすくひもとく。トリビアの宝庫で、この七種だけでなく、もっといろんな品種の話を聞いてみたいと思う。
(ジャガイモ)
・マックのポテトがやたら長いのは専用品種「ラセットバーバンク」が巨大だから
・日本のジャガイモ出荷量は年190万トン、このうちカルビーが27万トン。マクドナルドが年間に購入するジャガイモは150万トンで全量輸入。
・コナフブキ、男爵に続く日本年間生産量第3位の「トヨシロ」はポテトチップス用品種、コロッケ用としては男爵が根強いがきたかむいが注目株、ポテトサラダ用にはさやか」が理想的、など使用用途別に品種が別れている
(ナシ)
・栽培種の起源は野生種のニホンヤマナシ。長十郎、二十世紀、幸水が代表品種
・長十郎の欠点は日持ちの悪さ、黒斑病対策された(それでも弱い)二十世紀が天下をとるも、早生品種であり真夏に収穫期を迎える1989年に黒星病に対する弱さにもかかわらず「幸水」が生産量一位に。
(リンゴ)
・「林檎の唄」のリンゴは紅玉、アメリカ名はジョナサン
・「ふじ」の前世代のナンバーワン品種は国光、
戦前戦後にはこれと国光のほぼ2品種
・ふじは国光にデリシャスの花粉をかけたもの、世界ナンバーワン生産品種で一説によると世界シェア30%
・ジョナゴールドは母親が紅玉(ジョナサン)、父親がゴールデンデリシャス。つがるはその逆。
(ダイズ)
・国産大豆の用途は豆腐53%、納豆16%、煮豆総菜10%、味噌醤油10%。大豆の自給率は7%。
・1kgの大豆からとれる豆腐は11丁から13丁
・豆腐には高タンパクで粒が大きいフクユタカ、納豆には小粒の品種が向く
・枝豆は豆ではなく野菜分類

カブ、ダイコン、ワサビには品種についての面白いトピックは少なめで、野菜そのものの雑学が多いがそれはそれでおもしろい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2020年3月15日
読了日 : 2020年3月14日
本棚登録日 : 2020年3月14日

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