ナポレオンのエジプト遠征には数多くの学者が付き従った。ナポレオンが本土へ逃げ帰ったあとも、帰る船のない彼らの多くは研究を続行した。間に合わせの道具を手にひたすらに研究を続けたサヴァン(学者)たちの苦闘を、本書は細密に描いていく。ロゼッタストーンをはじめとした多くの発見がもたらされたが、その多くは最終的にイギリスに取り上げられ、大英博物館に収蔵されることとなった。編年的というより学者たちそれぞれに焦点を当てるルポルタージュ的手法で描かれていて、読み物として抜群におもしろい。むくわれることの少ない真実追究への情熱に、ロマンを感じられる人に。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
人文
- 感想投稿日 : 2011年10月23日
- 読了日 : 2011年10月20日
- 本棚登録日 : 2011年10月15日
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