「警察」という組織の成立にまつわる本。かつての警察は、現在の警察とは違い、行政権と裁判権を有していたが、それは王権を強化するための国王直属の秩序維持組織としての側面が大きかった。そういった意味で、警察の歴史は、中世ヨーロッパの王権と自由主義の歴史にも繋がる面白い話題である。本書は、やや孫引きが多いのと、中世ヨーロッパ以外の「警察」(例えばイスラム世界)に関する記述が欠如している点で、やや物足りなさを感じた。とはいえ、中世ヨーロッパの歴史をそれなりに知っている人なら、楽しめるだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史関連書籍
- 感想投稿日 : 2010年12月31日
- 読了日 : 2010年12月31日
- 本棚登録日 : 2010年12月31日
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