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内容(「BOOK」データベースより)
『核戦争後の放射能汚染は、火星の人間たちを地下の空洞都市へ閉じ込め、アンドロイドに地上で自由を謳歌する権利を与えた。有機アンドロイド―人間に奉仕するために創られたそれは、人間のテクノロジーをひきつぎ、いまや遥かにすぐれた機能をもつ都市を創りあげていた。だが、繁栄の影では、ひとつの神話がアンドロイドの間でひそやかに伝えられている。「神エンズビルが天から下り、すべてを破壊し、すべてが生まれる…」果して破壊神エンズビルは本当にあらわれるのだろうか?―人間対アンドロイドの抗争を緻密なプロットで描く傑作!』
冒頭
『夢からさめると別の夢の世界のような気がする。秋川誠元は暗い天井を見つめてまばたきした。
寝汗をふくためにシーツを引くとかたわらの絹子が寝ぼけた不満の声を出した。誠元はため息をついて寝返りをうつ。
どうやら夢の世界から無事に帰ってきたらしい。火星の、破沙空洞市の、小さな家、妻がひとり、息子がひとり、そしておれはやがて起き、朝食をとり、牛乳工場に仕事にゆく。』
『あなたの魂に安らぎあれ』
著者:神林 長平(かんばやし ちょうへい)
出版社 : 早川書房
文庫 : 399ページ
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年10月19日
- 読了日 : 2021年10月19日
- 本棚登録日 : 2021年10月19日
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