重要証人: ウイグルの強制収容所を逃れて

  • 草思社 (2021年8月3日発売)
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『いま、中国の新疆ウイグル自治区では何が行われているのか?
命がけで強制収容所から逃れた女性が証言する衝撃的な実態!
著者は新疆ウイグル自治区で生まれ育ったカザフ人女性。
医師であり教師であり、二人の子供をもつ母親。
日に日に住民に対する監視態勢が激化するなか、ある日突然、拘束されて
再教育施設と呼ばれる強制収容所に連行される。
そこで行われていたのはウイグルに生きる少数民族への想像を絶する弾圧だった。
自分たちの言葉を禁じられ、伝統も文化も宗教も奪われて中国共産党への忠誠を誓わされる。
繰り返される拷問、洗脳、レイプ。そしてその先に待ち受ける死。
命がけで隣国カザフスタンに脱出した著者は、2018年、法廷に立って
ウイグルで現在進行中の地獄のような実態を証言した。
その衝撃的な事実は各国の主要メディアによって次々と報道され世界中に激震が走った――。
繰り返される脅迫にもひるむことなく勇気ある証言を行った著者に対して、
2020年には米国務省から国際勇気ある女性賞(IWOC)、
2021年にはニュルンベルク国際人権賞が授与されている。
解説=櫻井よしこ』(「Amazon」サイトより)


冒頭
『 第1章 過去の亡霊

 助けを請う娘たち
ベッドを囲んで娘たちが声をあげて泣いている。毎晩そんな夢が続く。どの娘も黒い瞳を見開き、髪の毛は剃り落とされて丸坊主だ。「助けて」と娘たちが懇願する。「お願い、助けて」。独裁者が支配するところでは、どこだろうと真っ先に打ちのめされるのはいつも女たちだ。』


原書名:『Die Kronzeugin: Eine Staatsbeamtin über ihre Flucht aus der Hölle der Lager und Chinas Griff nach der Weltherrschaft』(英語版『The Chief Witness: escape from China’s modern-day concentration camps』)
著者:サイラグル・サウトバイ(Sayragul Sauytbay) , アレクサンドラ・カヴェーリウス(Alexandra Cavelius)
訳者:秋山 勝
出版社 : ‎草思社
単行本 ‏: ‎352ページ
発売日 ‏: ‎2021/8/3
ISBN:9784794225269

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ウイグル
感想投稿日 : 2022年1月14日
読了日 : 2022年3月10日
本棚登録日 : 2022年1月14日

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