映像作品としては好きだけど、この日本人の描写はちょっとオリエンタリズムだろう……
白人が白人のために作った白人から見た東京になってしまっていて、それを比較化する視点が一切含まれていないと思う。本当は英語を流暢に話す日本人だってたくさんいる。基本的な挨拶含め一切日本語で話そうとしない白人の登場人物たち、その上で日本人の英語アクセントを意味不明であるかのように描写するのはだいぶアウトかな……ステレオタイプを強化してしまっている。正直薄っぺらい。lost in translationも何も、そもそも本気でtranslateしようという意思が描写されていなくない?
エキゾチックな眼差しにはどこかに蔑視も潜んでいる。そんな文脈のなか、東京という大都会で主人公たちの感じているalienationを訴えられても、心に響かない。
この映画のウィキペディア英語版、レイシズム批判が一応記載されてる。アジアンスタディーズやアジアンアメリカンスタディーズ業界でその後の評価はどうなんだろう。
あの新宿大ガード下から車が抜けていくカットが同じく使われている深夜食堂とかと比べると、東京という街の描写の厚みが明らかに違うなあ
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- 感想投稿日 : 2023年12月28日
- 読了日 : 2023年12月28日
- 本棚登録日 : 2023年12月28日
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