慈雨 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2019年4月19日発売)
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本棚登録 : 5306
感想 : 456
4

警察小説というよりは、重厚な人間ドラマですね。
定年退職した元刑事の神場には、忘れられない事件がある。16年前に、おかしい…と思いながらも上からの圧力で終わらせてしまった少女誘拐事件。
重いものを背負いながらの16年間。そして退職した後もその重さは変わらない。
そして今また、あの時と酷似した少女誘拐事件が起こる。
理想を持って始めた仕事なのに、組織の中で目を瞑らなければならない…これはとても辛いことだろうと思います。立場上、間違ったことを間違っていると言えない苦しさ。そして、人として、そんな自分を自分自身が許せない苦しさ。だけれども、自分が声を挙げれば大切な人を巻き込むことになる苦しさ。
神場の苦しみが、妻と回る四国お遍路の旅とリンクして描かれ、読み応えたっぷりでした。




読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年3月25日
読了日 : 2024年3月25日
本棚登録日 : 2024年3月25日

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コメント 7件

yyさんのコメント
2024/03/25

こっとんさん、こんにちは。

柚月裕子作品の中ではちょっと地味だけれど、
こっとんさんの表現通り「重厚」ですよね。
随分前に読んだけれど、
こっとんさんのレビューが素敵にまとまっていて、
読んだ時のことをはっきり思い出しました。

こっとんさんのコメント
2024/03/25

yyさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます(о´∀`о)
実はわたくし、柚月裕子さん初読みの初心者なんです。ヤクザ屋さん系のお話にどうも足を踏み入れる覚悟がなくて……でも、人気の作家さんなので読んでいきたいとは思っているのです…色々なジャンルをお読みになっているyyさん!オススメを教えてください!

yyさんのコメント
2024/03/25

あ、こっとんさんだったのかも。
ヤクザ系の作品は苦手ってどなたかが書いてらしたことを覚えてます。

では、お言葉に甘えてお勧めをさせてください(^^)♪
検事から弁護士に転向した佐方貞人シリーズは、
こっとんさんもお好きかもです。
『最後の証人』『検事の本懐』『検事の死命』『検事の信義』
発行された順番通りがいいと思いますが、
時系列で言うと『本懐』の方が先のお話なので、
こちらを最初に読まれるものありかな?

お時間があって気が向いたら、
佐方貞人の世界に浸ってみてください ヽ(^o^)丿

こっとんさんのコメント
2024/03/25

yyさん、それ、おそらく私です( ˊᵕˋ ;)
柚月裕子=ヤクザ、という単純な思考回路しかなかった私(^∀^;)
yyさんに教えていただいて良かった!
左方貞人シリーズですね…φ(..)メモメモ
聞いてみるもんですね〜
私の世界が広がりそう(*´∀`*)
ありがとうございます♪

こっとんさんのコメント
2024/03/25

あ( ꒪Д꒪)
佐方貞人シリーズですねσ(^_^;

yyさんのコメント
2024/03/25

(笑)(笑)(笑)
気付きませんでしたよ~。
でも、わかる、わかる。
気付いちゃった本人は気になりますよね。
私なんか、しょっちゅうです。(∀`*ゞ)テヘッ

こっとんさんのコメント
2024/03/25

(∀`*ゞ)テヘッ

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