老後の資金がありません

著者 :
  • 中央公論新社 (2015年9月24日発売)
3.74
  • (87)
  • (231)
  • (162)
  • (25)
  • (2)
本棚登録 : 1262
感想 : 200
5

あー面白かった!
最後の一行を読んだ瞬間出てきた言葉。
題名からして恐ろしくてずーっと手を出せなかった作品だっけど、本当に読んで良かった!面白かった!
物語の序盤から娘の結婚式や舅の葬式でお金が飛ぶ、さらに夫婦揃ってリストラに合う‥‥と、その辺のホラーよりもよっぽど怖い展開に、やっぱり読まない方が良かったかなぁと思いつつページを捲る。
そこに節約上手な友だちの登場。あーやっぱり読まなきゃ良かったかなぁ、結局お金の使い方、貯め方が下手な私が反省して心を改めなきゃいけない本なんですよね‥‥と。
確かにお金の賢い使い方に、ふむふむ‥‥と勉強になりました。
でもこの作品は主人公の篤子の魅力で何ともカラッとした小気味よい物語になっていました。今までの自分のお金の使い方が間違っていたのだろうか?と反省しつつも、いや、そんなに私のやり方が間違っていたのだろうか?そんなことはない!と冷静に自己分析するところがいつもとてもカッコいい!
そして、なんといっても篤子と姑のやり取りが何よりも面白い!
実は映画の予告を見て面白そうだなと思って読み始めたこの本。
篤子はもう文句なしに天海祐希だったけれど、読み始めは姑が草笛光子?あれ?本では何だか存在感が薄いぞ?という感じでした。
でも、後半になるともう、姑が強烈すぎて、これはもう草笛光子以外考えられない!と思えました(笑)
お金の使い方に関しては本当にシビアにとても勉強になりました。しかし、このシビアな題材をここまで面白く読ませてくれた垣谷美雨さん、脱帽です。
映画もぜひ観てみたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月7日
読了日 : 2021年9月7日
本棚登録日 : 2021年9月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする