宮下奈都さん、好きだなぁと思いました。
三姉妹の長女・麻子の少女から大人の女性へと変わってゆく物語。
まず少女の章で心を掴まれてしまいます。
可愛くて、欲しいものは欲しい!と言えるすぐ下の妹・七葉と自分をいつも比べてしまう麻子。
何かが違う、ここは自分の居場所ではない、いや、そもそもこの場所を愛せない私が欠けているんだ、と思う麻子に共感しきりでした。
でもそれが変わる日は自然にやってくる。
「長く固まっていたかさぶたがぽろっと剥がれ、その下からのぞく薄桃色のつるつるの皮膚みたいな」気持ちになれる日はいつかやってくる。
だから自分は自分でいいんだ、と思えました。
麻子の母が三姉妹を見て言うセリフ
「面白いわねえ」
この一言だけで宮下奈都さん、大好きになる。
常々、『面白い』っていうのが、子どもに対する最高の愛情表現だと思っていたので。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年11月19日
- 読了日 : 2021年11月19日
- 本棚登録日 : 2021年11月19日
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