暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2002年4月11日発売)
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視力を失い、父も亡くし、一人きりで家の中に篭りがちなミチル。職場の先輩を線路から突き落とし殺した罪で警察に追われる身のアキヒロ。アキヒロはミチルの家に入り込み身を隠す。ミチルに気付かれないように息をひそめて。

ミチルは視力を失ったことから、アキヒロは子どもの頃から人付き合いが苦手だったことから、他人と関わるより一人きりで生きていくことを選んている。しかし、一つ屋根の下で暮らすようになってから変わってゆく。

ミチル目線、アキヒロ目線、交互に語られる。
ミチルに気付かれずにアキヒロは身を隠し切れるだろうか?
アキヒロの存在に気付いていることを、ミチルは隠し通せるだろうか?
まずは、ここがこの物語の醍醐味。

しかし、二人がお互いの存在を通して自分を見つめ直し、もう一人では生きていけないと思っていく過程が最も心に突き刺さってくるところ。

ミチルとアキヒロのあまりの孤独に読んでいて胸が痛くなることが何度もありました。
でも温かい気持ちで読み終えることができました。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月4日
読了日 : 2022年8月4日
本棚登録日 : 2022年8月4日

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