購入した11年前に一度読んだきりだったので、この度再読した。
まず、訳者の小川環樹氏が巻頭の「はじめに」の中で、「原文の一字ももらさず翻訳するようにつとめた。」と述べられていることに敬意を表したい。
本巻には「伯夷列伝 第一」から「春申君列伝 第十八」までが収録されている。
「伯夷列伝 第一」の慷慨する司馬遷の叫びともいえる件は胸を打つものがあった。また、遷が嘆じるところは我が国の現況に通ずるところがあるように思えてならない。
「伍子胥列伝 第六」は宮城谷昌光の『呉越春秋 湖底の城』読了直後だったため、場面が生き生きとよみがえり読んでいて胸躍った。
「仲尼弟子列伝 第七」は孔子とその主な弟子の言行などを収めており『論語』を髣髴する。あの孔子でも弟子へ辛辣な言葉を投げかけていることがあり、そこに人間味を感じ面白い。
どの列伝も古代中国を彩る人物ばかり、読んでいてい興味は尽きない。
ただ岩波文庫なので小さな活字、過ぎた意訳、古い言い回しなどで読むのに難儀するのは覚悟してほしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
史書
- 感想投稿日 : 2021年1月31日
- 読了日 : 2010年8月15日
- 本棚登録日 : 2010年8月15日
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