12年前に購入した際、一度読んだきりだったのでこの度再読してみた。
本巻には「李将軍列伝 第四十九」から「汲・鄭列伝 第六十」までの現代語訳と「地図 前漢武帝期要図」が収録されている。
「李将軍列伝」では、一個の人間では抗いきれずどうすることもできない、人の運命の厳しさというものを感じた。この伝を読んで中島敦の『李陵』を再読したくなったのは私だけだろうか?
「匈奴列伝 第五十」「南越列伝 第五十三」「東越列伝 第五十四」「朝鮮列伝 第五十五」「西南夷列伝 第五十六」、これらは「漢」をとりまく異民族を取り上げたものだが、他民族を描写するうえで肝心の顔立ちを初めとした人種についてや、衣食住といった風俗についてほとんど記されておらず残念でならない。
しかし、この点が『史記』の評価を貶めることは無いと思う。
どの列伝も興味深い内容で面白かった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
史書
- 感想投稿日 : 2021年9月9日
- 読了日 : 2009年11月27日
- 本棚登録日 : 2010年8月15日
みんなの感想をみる