香川の「線香水」
『線香水が始まる時、田は白くかわき、亀の甲のようにひびわれて、稲は葉っぱを丸く巻き、その先は茶色になっているのです。
そんな時、やっと届いた線香水が田にはいると、稲はちぢんでいた葉をパチパチと音を立てて開かせるのです。
それはまるで、稲がよろこんで泣いているように聞こえたものです。』
稲の花ざかり
『田んぼにたちこめる、むんむんと鼻をつく花のにおいは、まるでお米のにおいそっくりです』
印象的な記述がたくさんある。絵本といっても高学年むけで、絵も写実的。
保育園でも稲を育て、小学校では5年生で稲を育てます。
大昔から稲作に携わってきた人たちの努力の末に、日本の風土にあったおいしいお米を作る技術や知識があることがよくわかる。
最後に出てくる、いまはまだ種子の状態で眠る「未来」のお米。
折しもTPPの話題などあり、時事問題的にも面白く読める本だと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
kids
- 感想投稿日 : 2015年10月18日
- 読了日 : 2015年10月18日
- 本棚登録日 : 2015年10月16日
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