個人的にカレーブームのタイミングと重なったので(カレーブームだからこの本を手に取ったのかもしれないけれど)カレーをめぐるお話は楽しかった。
これから始まるぞっていうところで終わったのも爽やかでよかった。
著者を見て、図書室のキリギリスの著者だ!って結構な時間が経ってから気づいた。
そちらもこの本と同様、押し付けがましくなく発奮させてくれる一冊だと思う。
以下印象に残った言葉たち。
p.45
彼女がこえられなかった壁、そしてある種の人達が楽々と達してしまう境地が、マジックタッチだというのだ。芸術の世界にはそんな残酷な言葉があって、才能の差はそこに歴然としてしまうのだという。
→天才ってどの分野にもいて、そう呼ばれる人たちは才能+努力もするから、その人と比べて限界が見えてしまう人もいる。
そして、才能って何かしようとしたとき軽々とできてしまうことを表すことが多いけれど、自分の能力を疑わず、義務感もやらされ感もなく努力できることも含まれていると思う。
p.179
頭に血が昇った私は、「特別」という言葉と「唯一」という言葉を混同してしまっていたのだ
→特別はいくつも持てるけど、唯一は一つだけ。その違いに気づけたヒカリはもう大丈夫(っていう言い方が良いのかはわからないけれど)ってことだと思う。
自分にとって特別な人ができたら、その人にとっても自分が特別な人でありたいと思うのは自然なことだと思う。でも、それだけじゃこういうことが起こるのかと知った。不倫や浮気をする人の気持ちが初めてほんの少しだけ理解できた。共感はできないけれど。
p.249
「ヤマカワさんを信用したのは失敗だったかもしれないけど、ヨーコさんを信用してうまくいけば、失敗と成功でプラマイゼロじゃないか」
→この考え方好きだな。結局は物事をどう捉えるかで幸にも不幸にもなると思うから。
長い人生の中で、一瞬の出来事だけを見て不幸だ不運だって嘆くのはもったいない。その出来事のおかげでその後にとってもラッキーなことハッピーなことがあるかもしれないのだし!
- 感想投稿日 : 2021年9月6日
- 読了日 : 2021年9月6日
- 本棚登録日 : 2021年9月6日
みんなの感想をみる