新しい「物流」の教科書

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  • PHP研究所 (2014年5月22日発売)
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「モノを運ぶ、届ける」。
製造業にとっては顧客に直に接する、重要な工程です。
しかし、直接関わっていないと、どのようなことが課題で現在、何が起こっているのかが、わからない分野でもあります。
そこで、題名に「教科書」とあるこの本を、読んでみることにしました。
前半ではまず、物流とは何か、どのような姿を目指すべきかが書かれ、物流を管理する上でのポイントが示されています。
その上で、ロジスティックという言葉を、「必要なものを必要なところに必要なだけ届ける」と定義し、そのために何をすべきかを提起しています。
さらに、物流コストを削減するためにはどのような取組をすべきか、手法を紹介しています。
終盤は、日本の物流をマクロ視点でとらえた指標を紹介した上で、物流を担う会社が置かれた現状と、今後の方向性を示唆しています。
この一冊を読んだだけで、物流に関する業務を具体的に進めていける、という内容ではないかもしれません。
今まで物流に縁が無かったサラリーマンが突然、物流担当に任命された時に読むと、この分野の全体像が想像できる・・・そんな想定で作られた本なのかなと感じました。
前半部分に紹介されていた「物流のムダの第一は、顧客が必要としていないものを動かすこと」というのは、製造業のプロセス全体に当てはまる、重要な教訓だと受け取りました。
冒頭にはネット通販による物流業界への影響にも言及されていて、物流という分野を身近に感じさせてもらえる、そんな一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営工学
感想投稿日 : 2015年1月7日
読了日 : 2015年1月7日
本棚登録日 : 2015年1月7日

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