少子高齢化が深刻化し、年金や健康保険といった社会保障制度が成り立たなくなるのではないかと、不安を感じています。
将来「お金」で困ることにならないようにと、関連する本を継続して読むようにしています。
この本は、世界経済の中で絶対的な地位が揺らぎつつある、米国の投信をあえて取り上げているということで興味を持ち、読むことにしました。

著者は30年に渡って投資信託に関わってきたという、「この道のプロ」。
本書は全6章で構成されています。

第1章で、日本人の“苦しい資産形成事情”を説明しています。
その上で、長期積立投資を勧める理由を、金額シミュレーションをまじえて説明しています。
第2章では、なぜアメリカの投信を勧めるのか、株価や株式市場のデータ等を交えて、解説しています。
第3章は米国投資信託を推奨する理由、第4章はどのような投資信託を選べば良いか。
その上で、第5章では推奨する具体銘柄を披露し、最終第6章では税金対策としてiDeCoとつみたてNISAの活用を、提唱しています。

米国はまだ、世界への経済的な影響力が強く、長期レンジで見て安定した成長が期待できそうなのだと、理解しました。

銘柄の選び方、税金対策、さらには貯めたお金の使い方まで、積立投信の一切合切が指南されているので、これから始める人はもちろん、すでに始めている人にも、参考になる内容だと思います。
30才前後の若いサラリーマンを想定して、書かれているようですが、上記の理由で、それ以上の年代の人も、読んで損はないと感じた一冊でした。
 
お金に関する本;
『お金の流れで読む 日本と世界の未来』
ジム・ロジャーズ
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B07NMRRLTB
 
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2019年8月21日

読書状況 読み終わった [2019年8月21日]
カテゴリ 自己啓発

清朝末期から革命後の中国を描いた大河小説『大地』。第二部に続き、第三部を読みました。
『大地 第二部』
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00U3AJI4G

土地を手に入れ、作物を作ることで財産を築いた、王龍。
その三男で、農地を継いでほしいと言う父の希望をはねのけて、軍閥の首領となった王虎。

第三部はその王虎のひとり息子、王元を中心に、話が展開していきます。

武力で相手を思い通りにさせることを嫌う王元は、父の元を飛び出します。
巡り巡って、彼が向かった先は、親戚が暮らす南方の都会。
その地で、外国から入ってきた新しい生活、考えに触れた彼は・・・という展開。
 
優柔不断ながらも、優しく柔軟な考えを持つ青年、王元。
急激に変化する時代の流れに、翻弄される姿が描かれています。
 
第三部では、以下のようなことを考えながら、読み進めました。
・富める者と貧しい者の格差
・一つの切り口で、人の善悪を判断することはできるのか
・子供にとって、父親とはどういう存在か
・どこの国にも、良い面と悪い面がある
・それぞれの世代の男性にとって、女性とはどういう存在なのか、逆はどうか
・同じ国の人、親戚、そして親子・・・血のつながり、濃さにはどういう意味があるのか
・何が自由で、どこまで自らの意思を通すことが許されるのか
・貧富の差はなくせないのか、なくすべきなのか

三部作全体を通じて、変化する時代の中で「自分は何をしたいのか」「どう実現していくのか」「結果は満足出来るものだったのか」と、自問自答を繰り返す親子孫の、生涯を追体験させてもらうような感覚になりました。
三代に渡る物語を読むことで、自分が大切だと考え生涯取り組んできたことが、子や孫といった肉親(とはいえ他人)にどう映るのか、冷静に考えさせられました。
 
あとがきで知ったのですが、作者はノーベル文学賞を受賞しているのですね。
 
本作を読んで、読んでおくべき「名作」はまだまだありそうだと感じたので、これからも意識して、読んでいきたいと思います。
 

2019年8月17日

読書状況 読み終わった [2019年8月17日]
カテゴリ 歴史・時代小説

清朝末期から革命直後にかけて、農業を営む男の栄枯盛衰を描いた小説、『大地 第一部』。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00U3AJI0K
その続編の第二部を、続けて読みました。

第一部にて生涯が描かれた、「王龍」。
第二部は、その王龍の死の場面から始まります。
自分が耕す土地を大きくしていくことで財を成した、王龍。
その財産を引き継いだ、3人の息子たち。

性格も職業も違う彼ら3人は、父から受け継いだ財産を、どうしていくのか。
物語は、軍人となった三男に振り回されるような形で、展開していきます。

第二部では、読みながら以下のようなことを学び/考えました。
・子供を持つ喜び、子供を持つことによる苦労
・清朝が倒れた後の、群雄割拠の中国の情勢
・目標を持った人生と、授かった境遇にぶら下がる人生の違い
・ひと世代で時代はずいぶん変わる、社会情勢も生活環境も
・自らの子供にどう接し、育てれば良いのか
・子供のためにしたことが、必ずしも子供のためになるとは限らない

親と子供、ひと世代の違いで起こった、生活と考え方の変化。
第一部とはずいぶん異なる作品世界に、この時代の中国の変化の大きさを感じました。

第三部はどのような話になるのか。
続けて読み進めたいと思います。
 

2019年8月6日

読書状況 読み終わった [2019年8月6日]
カテゴリ 歴史・時代小説

名作と呼ばれる小説、特に海外の作品を、これまであまり読んでこなかったなあと、反省しています。
とある場でこの作品が紹介されていたので、「この機会に」と思い、電子書籍版で読むことにしました。
 
時代は清朝の終わり、中国北部の農村のシーンから、物語は始まります。
畑を耕して生活している「王龍」が、主人公。
父と二人で生活していた彼が、妻を娶ります。
家族ができて暮らしが変わり、次第に大きな土地を、耕すようになる王龍。
しかし、作物が全く育たない年が来て・・・という展開。
 
大地に作物を植えて、その収入で生活する。
そんな王龍の生涯を、読者が一緒に体験していくような形で、進んでいきます。
 
文庫版三部に渡る大作ですが、第一部では以下のようなことを考えながら、読み進めました。

・畑を耕して生きていくというのは、どのような日常なのか
・中国北部の農村と南部の街の、生活の違い
・近代化と外国の影響が入り込む、清朝末期の街の雰囲気
・生きるか死ぬかの生活の中で、どこまでが許されるのか、何をしてはいけないか
・街の生活の豊かさと怖さ
・幸せが来れば災いが来る、災いが来れば幸せが来る
・成功者、特に男性が陥りやすい罠
・老いるとはどういうことか、平安な心を保つことはできるのか
・成功者の孤独

1931年に発表された作品ということで、登場人物の会話の古めかしさや、差別的な表現は気になりました。
しかし話の展開もテンポ良く、退屈さを感じないまま、読み進めることができました。

三部に渡って書かれるであろうと思った内容が、この第1部で書かれていました。
この後どのような話が待っているのか? 期待して第2部を読みたいと思います。

2019年7月30日

読書状況 読み終わった [2019年7月30日]
カテゴリ 歴史・時代小説

年齢を重ねるにつれて、過去の経験や知識をベースに、ものごとを「パターン化」して見てしまっているなあと、反省しています。
この本は、「事実に基づいた世界の見方を広める」という財団を運営している、スェーデン生まれの著者による一冊。
 
イントロダクションに、13の質問があります。
その質問に対する、自分の正解率の低さにまず、驚いてしまいました。
そして著者は、多くの人が"チンパンジー以下"の回答率になってしまうのは、知識不足、そして物事に対する認識の仕方に問題がある、と言っています。
 
その上で10の章に分けて、人間が陥りやすい認識の間違いを、解説しています。
 
最初の「分断本能」については、所得を例に挙げて、二項対立的な見方を否定しています。
著者が提示するデータを見て、マスコミなどの報道では必要以上に、“格差”が強調されて伝えられているのだなあと、受け取りました。
20年30年前に学校教育を受けた世代のみならず、最近学んだ若い世代でも、「世界には先進国と発展途上国がある」と見てしまう。
これは知識の問題ではなく認識の問題なのだと、理解することができました。
 
以降は章のタイトルのみ、以下にリストアップします。
・ネガティヴ本能
・直線本能
・恐怖本能
・過大視本能
・パターン化本能
・宿命本能
・単純化本能
・犯人捜し本能
・焦り本能
 
そして最終11章で、「ではどうしたら良いか?」について、まとめています。
 
10に渡る認識の間違いについては正直、自分自身かなりの項目が当てはまると思いました。
各章にそれぞれの「本能」に対する処方箋が書かれているので、意識して実践していきたいと思います。
 
世界の国々の所得の格差がなくなってきていること、発展途上国と呼ばれた国の多くが、かなりのスピードで発展してきていること、そして分けるのであれば、4段階のレベルで考えてみること。
これらの著者の指摘は、今後の自分の「見る目」に、組み込んでいきたいと思います。

著者は他人の認識を改めることについても、それほど難しいことではない、と書いています。
ただしその前に、自分自身の認識を改めなければいけないなと、自分に言い聞かせました。

世界の現状を知る、そして自らの視点にバイアスがかかっていることを知る。
複数の角度から、刺激を与えてもらえた一冊でした。

2019年7月23日

読書状況 読み終わった [2019年7月23日]
カテゴリ 自己啓発

頭打ち、そして後退感が漂う、日本。
国同士のパワーバランスの変化を感じる、国際情勢。
「今後、どのような世界になっていくのだろう。自分はどうしたら良いのだろう」と、先行きの不安を感じます。

この本は、トランプ大統領の誕生など、数々の「予言」を的中してきたという、世界有数の投資家による一冊。
東アジア情勢について語られているということもあり、読んでみることにしました。

冒頭で著者はまず、「歴史は繰り返される、だから自らは各国の歴史を学んできた」と書いています。
その上で、執筆時点の世界の経済は危険な状況にあると、警告しています。

その前提のもと、前半は日本、朝鮮半島そして中国の現状と近未来について、論じています。

日本については何よりも人口減少対策がポイントであると、改めて認識しました。
著者が主張する移民受け入れについては、日本国内では反発がありますが、「嫌がっている場合ではない」のだと、理解しました。

朝鮮半島については、南北統一となればどのようなことになるのか、ポジティブなシナリオを中心に書かれています。
そして中国については、「世界の覇権国家になる」とし、その理由をデータを交えて説明しています。

後半は、東アジア各国への影響力が強い、アメリカ、インド、ロシアについて、著者の見立てが書かれています。
そして、「では何をすべきか?」について論じ、最後に今後の「お金」にまつわる大変革についての見通しを披露しています。

前半部分を読んでまず、東アジアの中で、日本が一歩進んでいるという思い込みは、早く捨てるべきだと、あらためて感じました。
日本は衰退しつつある国であること、もっと言えば、50年単位で考えたら、存続すら危ういということ。
そして近隣には中国という、歴史を通じて世界の大国であり続けた国があること。
さらに、現状レベルからの“のりしろ”が大きい、朝鮮半島もあること。
それらを踏まえ、「ではどのような”強み”を活かして、日本は生き残っていくか」を、国全体で真剣に考えるべき段階に来ていると、理解しました。

誰も狙っていないところを狙う、という投資家の姿勢で書かれているので、鵜呑みにして行動するのはリスクがあるとは思います。
しかし、歴史は繰り返される、というのも事実。
歴史を勉強し、感情を取り払って各国の現状を分析する。
著者の姿勢に習って、勉強していきたいと思います。
 

2019年7月19日

読書状況 読み終わった [2019年7月19日]
カテゴリ 国際人

今まで読んだことのない作家の小説を読もうと、意識して作品探しをしています。
そんな中、とある場で紹介されていたこの作品が気になり、文庫化もされているようだったので、電子書籍版で読むことにしました。
 
物語は昭和36年の、小学校のシーンから始まります。
小学校の用務員として働いてる吾郎は、児童達の求めに応じて、放課後に勉強の面倒を見ています。
そこにある日、一人の児童の母親、千明が訪ねてきます。
彼女が言ったのは、「いっしょに塾をやりましょう」ということ。
 
夫婦となった、吾郎と千明。
ふたりの、塾経営に奮闘する日々が描かれていきます。
 
作品は8つの章で構成されています。
それぞれの章の間には年単位のブランクがあり、全体として半世紀近くの年月が流れています。
親子孫の三代に渡る、まさに「大河ドラマ」のような、壮大な物語です。
 
「教育」が全体を通じてのテーマ。
昭和の高度成長期から平成後半にかけての、その時代時代の、教育に関する話題が取り上げられています。
そのテーマに、主人公ふたりを中心とした家族に降りかかる問題が、重ね合わされています。
 
日本の教育制度。
存在が必要とされ発展してきた塾という存在、しかし世の中の移り変わりとともに、その役割も変わっていきます。
子供を悪くしたいわけではない、でも考えやアプローチが違い対立してしまう。
教育という世界の難しさ、関係する人たちの情熱を、感じました。
 
かたや、主人公たちの人生は、山あり谷あり。
一途に道を進む千明と、女性に翻弄されてしまう性格の吾郎。
人とは違うことをやろうとすれば、その波も大きい。
自らの仕打ちは、自らに帰ってくる。
そして子供は、親の意思を引き継ぐ、しかし親の思い通りにはならない。
因果応報、輪廻、諸行無常。
仏教説話を連想するような面もありました。
 
冒頭は”昭和の文学作品“ような、拡張の高い文体。
しかし途中から、高度成長期のエネルギーを感じる文体に変わります。
時代の空気というものを、文章で表現しているのだなあと、気づきました。
 
エネルギー・高揚、挫折、感動。
さまざまな感情も味わせてもらえました。
作者が直木賞を受賞しているということも、納得の作品でした。
他の作品も探して、読んでいきたいと思います。
 

2019年7月17日

読書状況 読み終わった [2019年7月17日]
カテゴリ 小説

先に読んだ『メモの魔力』にて、抽象化する力の大切さを学びました。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B07L67XZSS

その中で、“非常に参考になる本”として、この『具体と抽象』が紹介されていたので、続けて読んでみることにしました。

序章でまず、具体=わかりやすい、抽象=わかりにくい、と一般的には捉えられていると指摘しています。
しかし抽象こそ、人間だけができることであり、抽象について体系的に学ぶべきだ、と主張しています。

その前提に立ち、20の章に分けて、抽象について論じています。
各章の冒頭には四コマ漫画が書かれています。
また1章ごとのページ数は少なく、読みやすいように配慮されているなと感じました。

まず前提の部分に書かれている、「人によって、抽象と具象どちらの表現を理解しやすいか、かなり幅がある」、「特に現在は、具体的な分かりやすさが望まれている」ということについては今後、意識していきたいと思います。
そして印象に残ったのは、“抽象には階層がある”という部分。
相手と「話が噛み合わないなあ」と感じた時は、この階層のことを意識したいと思います。

自分自身では、抽象化を意識して仕事をしているつもりでしたが、シンプルさという点ではまだまだ、磨きをかけなければいけないなと思いました。

また後半の、抽象を意識している人が陥りやすい困りごとと、その対処についても、参考にしたいと思います。

あまりに身近で、これまで意識してこなかった、具体と抽象。
頭を整理してもらえた、一冊でした。
 
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2019年7月9日

読書状況 読み終わった [2019年7月9日]
カテゴリ 自己啓発

学校でのノートとりなど含めれば、多くの人が長年書いている、メモ。
その書き方を活用して、人生を豊かにしている人がいることを知ってからも、ずいぶんと年月が経ちました。
 
出来ているつもりで油断していると、いつのまにか雑になってしまうのが怖いところ。
そんな自分を自覚しているので、ネジを巻き直そうと思い、話題になったこの本を、読むことにしました。
 
序章でまず、起業家として活躍する著者の、メモに対する熱い思いが綴られています。
その上で第1章から順に、メモを書く効用について説明しています;
 
・メモを“アイデアの源泉”にする方法
・どのようにメモをとれば、思考の幅と深さが拡大するか
・メモとりを応用すれば自己分析が出来る
・自己分析によって、夢を立て実現することができる
・これまでの考察を踏まえあらためて、メモとは何か
 
自分の言葉での表現になりますが、前半部分で特に印象に残ったことを、以下にリストアップします;
・メモを取るようになると、情報の収集に対する感度が高くなる
・書くことにより自らの頭で考えるようになる、具体的には、書くことがインプットの要点を整理抽出する訓練になる
・事実を書くだけでなく、そこから何が引き出せるか、どう応用できるかを考える
 
本書には、著者が実践しているメモとりの方法が、写真入りで紹介されています。
そういう点では、ハウツー本とも言えるかもしれません。
しかしそれ以上に、メモをとることを起点に、いかに豊かに人生を過ごすかについて、著者が実践してきたやり方、考えを学べるという部分の方が大きいと思います。
  
学生や若手社会人をイメージして、書かれているように見受けられました。
しかし本書に書かれている内容は、これからの人生を豊かにしよう、と考えている人には、世代を問わず参考になるかと思います。
 
本書を読んでいる途中から、メモをとる量が格段に増えました。
この状態を習慣化して、自らの脳を有効に活用していきたいと思います。
 
メモ・ノートに関する本;
『世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術』
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B0777LZ8D5
 
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2019年6月25日

読書状況 読み終わった [2019年6月25日]
カテゴリ 仕事術

江戸下町の、市井の人々を描く作品を多く発表している、山本一力。
「同時代に住んでいたのではないか」と思うような当時の生活の描写、そして人と人とのつながりを題材にした作品世界に、魅了されています。
 
そんな山本一力が、古典落語の名作を題材にした作品を発表したと知り、電子書籍版で読むことにしました。
 
5つの作品からなる、短編集です。
表題の『芝浜』を含め、どの作品も、古典落語を題材にしています。
 
特に有名な『芝浜』については、あらすじを知っているので、「この作家さんがどう、表現するのだろう」という視点で、読み進めました。
落語も演者によって表現が違うようですが、夫婦二人の絆に力点を置いて、描いたのかなあと受け取りました。
 
三人の正直者がおのれの理を通そうとする、“わらしべ長者”的お話『井戸の茶碗』。
堅物の番頭の密かな一面を描いた『百年目』。
宿場町での奇跡と人情のお話『抜け雀』。
自らの演技にかける役者とその妻の絆を描く『中村仲蔵』。
 
有名な古典落語でも、“山本一力の作品”のように感じられるあたりが、この作家さんの力量の高さなのでしょうね。
 
落語は時代設定がわからない場合が多いのですが、本作品ではあえて、いつの話かがわかるように書かれています。
 
声の強弱や調子、そして上半身を使って表現する、落語。
それを文章だけで表現しようという、作者の意気込みを感じた、作品でした。
 
山本一力の作品;
『ジョン・マン 4 青雲編』
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B073PQ7L3S
 
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2019年6月20日

読書状況 読み終わった [2019年6月20日]
カテゴリ 歴史・時代小説

デビューして30年以上が経つ人気作家、吉本ばなな。
今さらですが、その作品の魅力を知り、読み漁っています。
発表された小説を、できるだけ発表順に読んでいこうと思い、『キッチン』『TSUGUMI』に続いてこの作品を、読むことにしました。
 
二つの中編小説で構成されています。
『うたかた』は19歳の女子大生が主人公。
母親との二人暮らしで育った彼女。
ある日、母親が「海外で暮らす」と言って家を離れます。
残された彼女は、一人の男子と出会って・・・というはじまり。
 
若い男女の恋が軸になったお話なのですが、家族のつながり、人を頼り、頼られることについて、考えさせてもらいました。
 
『サンクチュアリ』は、大学生の男子が主人公。
心が荒んでいた彼は、ある夜、激しく泣く女性を見かけます。
気になった彼が声をかけると・・・というはじまり。
 
親しい人を亡くした心の傷。
その感情とどう向き合うのか。
許容量をこえた時の心の動きについて、考えさせてもらいました。
 
2作品に共通しているのは、お互いの境遇を理解し、心を通い合わせる男女、という設定。
相手の行動や感情を通じて、自らの心の動きを理解すること。
同情とも甘えとも違う、安らぎや共感といった感情。
 
この作品でも、複雑な人間の感情というものを、体感させていただきました。
 
まだまだ未読の作品があるので、勢いに乗って、読み進めたいと思います。
 
『TSUGUMI』吉本ばなな
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00LWZUCL4
 
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2019年6月18日

読書状況 読み終わった [2019年6月18日]
カテゴリ 小説

遅ればせながら、初めて読んだ作品『キッチン』が面白かった、吉本ばなな。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00FXNL4BS
 
勢いに乗って、初期の作品と思われるこの長編小説を、読むことにしました。
 
語り手は女子大学生の「まりあ」。
彼女がいとこの女の子「つぐみ」と一緒に暮らした日々を、一人称で回想するシーンから始まります。
 
海辺の旅館を営む夫妻のもと、二人姉妹の妹として生まれた、つぐみ。
その母の姉である、まりあの母は、訳あって旅館に住んでおり、まりあは従姉妹であるつぐみ、そしてその姉「陽子」と、三人姉妹のように育ちます。
 
美少女でありながら、生まれつき身体が弱かった、つぐみ。
それでいながら、それがゆえに、ひねくれて攻撃的な性格。
逆に、おおらかな陽子と、思いやりのあるまりあ。
 
東京で暮らす大学生となったまりあは、生まれ育った旅館がなくなってしまうと知り、帰省します。
 
旅館の「最後の夏」をともに過ごす、三人の女子たちの日々が描かれていきます。
 
身体は弱いながらも、強烈な生命力を放つ、つぐみ。
彼女の行動に翻弄されながらも、つぐみをいたわり思いやる、陽子とまりあ。
 
夏の海が頭に浮かぶような、空気、音、においの表現。
 
痛快、切なさ、愛しさ、みずみずしさ。
一言ではあらわせない、複雑な感情を、味わうことができました。
 
作者にとってはじめての長編小説だったということですが、あやうさを感じさせない構成と文章力で、今回もいっきに、読み進めてしまいました。
 
またもや、この作家さんの作品世界に、魅了されました。
電子書籍版が発売されている作品を中心に、今後も読み進めていきたいと思います。
 
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2019年6月13日

読書状況 読み終わった [2019年6月13日]
カテゴリ 小説

小説を読むようになってずいぶんな年月が経ちました。
しかし、一度読んで「良いな」と思った特定の作家の作品ばかりを読んでいるなと、反省しています。
 
自分に指針や思索の機会を与えてくれる作品はまだまだあるはずだと考え、まずは有名な作家の作品を読もうと、思い立ちました。
そこで、これまで読んだことがなかったこの作家さんの、初期の話題作を、読むことにしました。
 
主人公は祖母を亡くし天涯孤独となった、女子大生。
今まで住んでいた家にも住めなくなり呆然としていた彼女のところに、若い男性が訪ねてきます。
彼が言ったのは、母親と暮らす自分の家で、一緒に住まないか、ということ。
戸惑いながらも彼女は・・というはじまり。
 
私という一人称の淡々とした語り口なのですが、思いがけない展開の積み重ねにグイグイ、引き込まれてしまいました。
 
全体としては3編の短編から構成されて、内2作品は本編続編という形になっています。
あえて3作品の共通テーマを書くとしたら、身近な人を亡くす、ということになるでしょうか。
 
・意外なストーリー展開
・表現しづらい、人間の複雑な感情の提示
・感覚や知性を刺激する文書
 
大きなダメージを受けた時の、悲しい、切ないという言葉をこえる感情を、小説という形で発表する。
この作家さんが多くの人に受け入れられるきっかけになった作品だということが、読んでみて初めて理解できました。
 
しばらくは、この作家さんの作品世界に、浸ろうと思います。
 
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2019年6月11日

読書状況 読み終わった [2019年6月11日]
カテゴリ 小説

あれもこれもと、手をつけたくなる。
いつのまにか、頭は別のことを考えている。
集中して取り組んだ方が効率が良い、とは知りながらも、なかなか集中できない。
さらには、「この道一筋」で進んで良いのだろうか、正しい道を選べているのだろうか、不安になってしまう。
 
「集中する」ということに対して、なかなか悩みを振り切れないでいる自分がいます。
そんな迷いから救い出してくれそうな本があると知って、読んでみることにしました。
 
本書は大きく3つのパートに分かれています。
・生産性に関して、一般には言われている/信じられているが、実際は間違っていること
・どうしたら生産性を高め、成功したと思える人生を歩めるか
・幸せな人生とはどういうものか、どうしたら手に入れられるのか

集中や選択に関する本を読んだ人には、類書との共通性に目がいくかもしれません。
ただし本書は、集中して取り組むことの大切さを、わかりやすく伝わりやすく書いているという点で、特に人生の岐路に立っている人には、背中を押してもらえる一冊だと思います。
個人的には、ドミノ倒しのイメージや、制限を設けず大きく考えること、といったあたりが、特に心に残りました。

読んで「良い本だったなあ」で終わってはもったいないので、読みながらひらめいたアイデアを、一つづつ実行していきたいと思います。
 
「集中力」に関する本;
『フォーカス』ダニエル・ゴールマン
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4532320429

2019年6月6日

読書状況 読み終わった [2019年6月6日]
カテゴリ 自己啓発

アメリカと日本との関係について、数々の文献を引用し、「不都合な事実」を赤裸々に書いて話題となった、『知ってはいけない』。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B074NZK8GV
 
その内容を読んで、自分自身もショックを受けました。
その続編が発表されたと知って、電子書籍版で読むことにしました。
 
前作の振り返りも含め、著者は以下のように自説を展開していきます。
1)日米間には、正式な条約の他に、密約が存在する
2)密約について、首脳個人間の約束という捉え方をした日本と、継続して守られるべき国同士の取り決めとするアメリカでは、その後の対応が大きく異なった
3)日本は上記の捉え方だったため、首脳さらには外務省の中でも、密約についてしっかりとした引き継ぎが行われてこなかった
4)この状況を利用し、アメリカは自国に有利な密約と仕組みを積み重ね、日本を軍事上の属国と言えるレベルまで取りこんだ
 
その上で、なぜその状況を改善することが出来ないのかについて、調査・解説しています。
 
日本という国が他国からなぜ、軽く扱われてしまうのか、本書を読んで以下のように理解しました。
・少なくとも軍事面からは、独立国家とは言えないこと
・国家間の取り決めについて、適切な扱いをしてこなかったこと
 
問題を提起する、という主旨で書かれており、「ではどうしたら良いか?」についての議論が深められていない点は、次作に期待したいと思います。
ただし著者が書いている通り、現状を正しく認識し、是正していく行動を、少しでも早く進める必要があると思いました。
 
この問題については複数の視点から見る必要がありそうなので、関連図書を探して、勉強していきたいと思います。

2019年6月4日

読書状況 読み終わった [2019年6月4日]
カテゴリ 日本史

美術への関心が神社仏閣への関心に広がり、さらに日本の古代史に興味を持つようになりました。
 
日本の中央政権はどのようにして成立したのか。
またどのようにして、政治の中心地や中心勢力は移動したきたのか。
そんな疑問に答えてくれそうな新書を書店で見かけたので、電子書籍版で読むことにしました。
 
冒頭で著者はまず、日本の歴史は中国や欧州などと比べて、対外戦争そして内戦も少なかった、と主張しています。
その上で、そんな日本で起きた戦いを、記録が残る倭国の時代から鎌倉幕府成立前まで、年代を追って解説しています。
 
現在の日本の原型となった国・政権はどのように領域を拡大していったのか。
権力者同士のどのような争いを経て、国が形作られ、手直しされてきたのか。
そのように形作られた国、権力がどのようにして公家、貴族の支配から離れ、武士の支配へと変わっていったのか。
 
日本の歴史、特に古代史において、中央政権を廃し自らが取って代わろうという動きは(地方行政機関への反逆を含め)、とても少なかったこと。
そしてそのことは、他国の歴史と比較するととても珍しいことなのだと、本書を読んで認識することができました。
 
個別の内容では、特に以下の内容が印象に残りました;
・日本武尊の伝承から、古代の中央政権の拡大は、戦いではなく交渉を中心に実現されたことが読み取られること
・古代の内戦は、当時の北東アジアの情勢に強く影響を受けていたこと
・壬申の乱は、のちの天武天皇のみならず持統天皇の意向に影響されたと考えられること
・平将門の乱と藤原純友の乱を制圧した側の家系が、後の武士の社会の中心地となったこと
 
歴史解説本の常で登場人物が多く、前後の関係を理解するのに骨が折れる部分はありました。
このような本には、電子書籍の検索機能は便利に感じられますね。
 
これまでに読んだ、古代題材の小説をいくつか、読み直したくなりました。
また、もっと知りたいと思った部分もあったので、関連書籍を探して、読んでみたいと思います。
 
古代史を扱った新書;
『神武天皇vs.卑弥呼』関裕二
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B07BXR11XS
 
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2019年5月30日

読書状況 読み終わった [2019年5月30日]
カテゴリ 歴史・時代小説

仏像への興味を皮切りに、神社仏閣巡りをするようになりました。
各地の寺社を参拝しているうちに、日本の歴史、特に古代への関心が高まってきました。
 
そこで出会ったのが小説家、澤田瞳子の作品。
これまでに、平安時代の仏師定朝を題材にした、『満つる月の如し』などの作品を読んできました。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00OICW23O

文庫化されている作品を探していたところ、奈良の大仏建立に関する作品があると知り、電子書籍版で読むことにしました。
 
西暦700年代の中ごろの、奈良が舞台になっています。
仏教により国を治めようとした、聖武天皇。
その意思により建立されようとしている、奈良東大寺の大仏。
その仕丁として、近江から上京してきた若者が、役務に取り掛かる場面から物語が始まります。
 
数ある仕事の中でも、特に負担の重い作業を担当することになった、若者。
しかし彼の配属された班には、飛び抜けて美味しい食事が出されています。
 
作業をする人を思いやり、食事を作る炊男(炊事係)。
そんな彼をしたって、さまざまな人が集まって・・・という展開。
 
皆に慕われながらも、どこか影のある炊男。
彼にはどのような過去があるのか、なぜ作業をする人たちに、ここまで心を込めて食事を作るのか。
その謎をめぐる展開が、本作品の大きな流れになっています。
 
大きな仏像、それも国の平安という、天皇の祈りをこめた一大事業。
作業する人たちは、どのような日々を送っていたのか。
そして彼らにとって、仏とはどういう存在なのか。

大仏建立に関しては先に、『国銅』を読みました。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00PA6KP2C
 
『国銅』が、巨大建造物を造る仕丁の作業に光をあて、その困難を描いているのに対し、こちらの作品ではその造り手たちの内面を掘り下げた作品なのだと、受け取りました。
 
古代を舞台に、このような小説も書けるものなのですね。
この作家さんの作品は今後も、チェックしていきたいと思います。
 
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2019年5月28日

読書状況 読み終わった [2019年5月28日]
カテゴリ 歴史・時代小説

複数のシリーズ小説を続けている人気作家、畠中恵。
その中で、明治時代を舞台にした『若様組』シリーズの3作目が文庫化されていたので、読むことにしました。
 
江戸から明治へと、時代が変わって約20年。
江戸を生きた親世代と、明治に育った子世代。
旗本の家系に生まれた、子世代の“若様”たちが、主人公です。
 
今は警官として働く、若様たち。
そんな若様たちが集められ、知らされたのは、「この国が戦争することになるかもしれない」ということ。
動揺する彼らにさらに告げられたのは、「なので、君達に見合いをしてもらう」という言葉。
 
なぜ見合いをすることになったのか、自分たちはどうなってしまうのか・・・という始まり。
 
5つの話で構成された、 連作短編集の構成になっています。
それぞれの話では、若様組メンバーの縁談がテーマになっています。
果たして、彼らは結婚することになるのか?
 
その展開とあわせて、彼らに降りかかる「謎」を解決できるか?ということが、本作品の読みどころになっています。
 
若者たちの恋の行方を見守る。
大きく時代が動いたこの時代の、空気を味わう。
人生の岐路に立つ、若者の不安と希望に共感する。
 
さまざまな角度から読める作品でした。
続くともこれで終わりとも思えるラストですが、次回作の文庫化を楽しみに待ちたいと思います。
 
若様組シリーズ第2弾
『若様組まいる』畠中恵
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4062775409
 
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2019年5月22日

読書状況 読み終わった [2019年5月22日]
カテゴリ 歴史・時代小説

”泡沫候補”と言われながらも選挙戦を勝ち抜き、アメリカ大統領に就任したドナルド・トランプ。
過激な発言は選挙のため、という見方もありましたが、就任後もその言動は変わらず、米国のみならず世界を揺らし続けています。
 
かたや、政権の中枢メンバーの入れ替わりが激しく、「どのようなことが起こっているのだろう、これからどうなっていくのだろう」と、不安と興味が入り混じった視線を集め続けています。
 
そんなトランプ政権の内幕が書かれた本が出版されていること、そしてその著者が、歴代の米国大統領の評伝を書いてきた著名な記者であることを知り、読むことにしました。
 
レポートは、トランプが大統領選挙で争っているシーンから始まります。
そして本人ですら、「当選後」のことを考えていなかったという、まさかの結果。
大統領就任後、人事や政策の検討がどのように行われていったかへと、話が進みます。
 
国の指揮をとるようになった後は、前政権から残る宿題、自らが引き起こしたスキャンダル等々、次々と巻き起こる課題に対峙する姿が描かれていきます。
 
各方面への取材の成果か、ホワイトハウス内部での会話を含め、政権の中枢人物たちの言動が生々しく再現されています。
アメリカ大統領、特にトランプという人の周りでは、次々といろいろなことが起こるのだなあと、ただただ驚くばかりでした。
 
そしてトランプ大統領に関する記述については、特に以下の点が印象に残りました。
 
・ニュースなどで伝えられて通り、もしくはそれ以上に、感情の振れ幅が大きい人物であること
・彼のツイッターは、広報担当などによるものではなく彼自身が発信しており、周りの人たちも困っていること
・北朝鮮、アフガニスタン、シリアなど、前政権が残した「負の遺産」が小さくなかったこと
 
「入念に検討し、ルール通りの手順で意思決定する」という考えがない/嫌いなトランプ。
このような人を相手にしていると、誰もが短期間で消耗してしまうのだと、本書を読んで理解しました。
 
「相手を動かすこと」を目的に、行動する大統領。
 
その評価は時間が経ってから行われると思いますが、同時代に生きている人間として、彼の言動には今後も、注目していきたいと思います。
 
同じカテゴリーの本;
『トレバー・ノア 生まれたことが犯罪!?』トレバー・ノア
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B07CMZRPXD
 
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2019年5月15日

読書状況 読み終わった [2019年5月15日]
カテゴリ 国際人

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モノを効率良く大量につくって、売る。
20世紀後半の日本経済を支えた、製造業のビジネスモデル。
このスタイルが成り立たなくなったと言われて、結構な年月が経ちました。
 
ではどのようなビジネスが、拡大していくのか。
製造業はいらないのか、無くなってしまうのか。
そのヒントを知りたくて、関連する書籍を読むようにしています。
 
著者は、「これからのビジネスは、顧客に継続的な価値をもたらすサービスを、創造することが目標である」とし、”サブスクリプション・エコノミー”という言葉で、その考えを提唱しています。
 
本書は、15の章で構成され、大きく第Ⅰ部、第Ⅱ部に分かれています。
第Ⅰ部は、各業界で成功している企業は、何を行なっているのか? 事例を次々と紹介しています。
そして第Ⅱ部では、サブスクリプション・エコノミーで成功するには、何をすれば良いか? を解説しています。
 
まず前提として、消費者のニーズ、意識が「所有」から「利用」へと大きくシフトしていることを、認識すべきなのだと受け取りました。
そして近年、成功をおさめている企業、事業が、継続した定額料金制で売上を得ていること、そして顧客がどのように製品・サービスを利用しているのか、データ収集と分析を活用していることがポイントであると、理解しました。
 
自社をサブスクリプション主体に切り替えていく過程では、短期的には収益が下がること、そして社内の組織、システム、会計などさまざまなしくみを変える必要があること。
一発勝負ととらえ判断するか、長い目で見るか、事業の捉え方から、変える必要があるのだと、学ばせていただきました。
 
データ取得、データ分析のノウハウなどは、もっと詳しく知りたいなと感じましたが、それ以外の部分については、読者の疑問に幅広く答えてくれていると思います。
 
「サブスクリプションとは何か?」について、理解を一歩先へと進めてもらえた、一冊でした。
 
 
”ビジネスモデル”に関係した本;
『世界史を創ったビジネスモデル』野口悠紀雄
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B076ZF5G11
 
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2019年5月13日

読書状況 読み終わった [2019年5月13日]
カテゴリ 企業研究

江戸を舞台に妖(あやかし)たちが活躍する『しゃばけ』をはじめ、複数のシリーズ小説を継続して発表している畠中恵。
 
電子書籍化されていない作品が多いこともあり、未読本がたまっていました。
その中から、シリーズものではなさそうなこの一冊を、読むことにしました。
 
物語は、在所の村から江戸市中へと急ぐ主人公が、辻斬りに襲われるシーンからスタートします。
すんでのところで命を救ってもらった、主人公。
助けてくれたのは、幼少時代に顔なじみだった、武家の男。
 
感謝する主人公。
しかし、自らの困りごとに首を突っ込んでくる武家に、戸惑いと疑いの気持ちを抱きます。
この武家はなぜ、主人公に関わってくるのか・・・という始まり。
 
6つのエピソードに分かれていますが、全体としてまとまった長編小説の形になっています。
 
全編を通じてのキーワードは、「大名貸し」。
財政が苦しくなった大名に、商家さらには農家が、お金を貸すことがあった、この時代。
 
その大名貸しに関連して主人公に降りかかる災難を、どう解決していくか。
そして、一見関連がなさそうなそれぞれの災難の裏には何があるのか?というのが、この小説の読みどころ。
泣き虫の主人公と、憎まれ口をたたきながらも、なぜか助けてくれる武家かけあいもあって、ぐいぐい引き込まれていきました。
 
幕末と思われる時代、そして登場人物たちが幼なじみという設定。
人生は、どう変わっていくかわからない。
自ら切り開こうとする者あり、幸運をつかむ者あり。
 
嘆き、泣きながらも課題に対峙する主人公の姿を読むことで、「自分が正しいと思う道を、進んでいこう」と元気づけられました。
 
『しゃばけ』シリーズと違う、クールさを感じる文体ということもあり、またこの作家さんの魅力が広がったなと、感じた一冊でした。
 
畠中恵の作品;
『まったなし』
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4167910446
 
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2019年5月9日

読書状況 読み終わった [2019年5月9日]
カテゴリ 歴史・時代小説

誰も逃れることはできない、「死」。
しかし、この問題に正面から向き合わないままう、長く人生を過ごしてしまったと、反省しています。
そんな、「死」をテーマにした本が話題になっていると知って、読むことにしました。
 
本書は、著者がイェール大学で講義している内容をまとめた書籍とのこと。
原著では、前半が形而上学、後半が価値論というテーマに分かれており、後半のみが日本語訳として出版されたそうです。
本書は9つの講義に分かれています。

まず冒頭で、本書は死にまつわる実務的な内容を記したのではなく、哲学の入門書として書いたと定義しています。
そして日本版では割愛された前半部分について、要約を紹介しています。
その上で、おおくくりで以下のテーマについて、本書で考察しています。

・死というものをどう捉えるべきか
・死とは悪いことなのか
・逃れられない死を前提に、どう生きるべきなのか

これらのテーマについて、一般的に話題に上ることの多い主張を取り上げ、その真否を著者が検討していく、というスタイルで進んでいきます。
概念的な記述なのですが、文学作品を含め具体的な事例を挙げて解説しているので、個別の記述については、自分にも理解することができました。
ただし、「こういう場合はどうだろう?」という提議が繰り返されていくので、正直なところ読みはじめてしばらくの間は、頭がこんがらがってきました。

それでも、積み重ねられた考察を読み進めていくうちに、著者の「死」についての考えが、感覚的にも、論理的にも納得のいく内容だなあと、思えるようになりました。

特に、「死はなぜ悪いのか」に対する著者の見解は、これから人生を歩んでいく上で、自分自身の指針になりそうだなと、感じました。
死に限らず、なぜ恐れや不安を感じるのか、どう対処したら良いのかといった”感情”についても、教えてもらえました。

読むタイミングによっても、受け取り方が変わりそうなので、人生の節目と感じた時に、読み返していきたいと思います。
 
「死」に関係する本;
『モリー先生との火曜日』ミッチ・アルボム
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B009QW63C2

2019年5月7日

読書状況 読み終わった [2019年5月7日]
カテゴリ 自己啓発

『しゃばけ』をはじめとした、江戸時代を舞台にしたシリーズものを複数、発表している畠中恵。
その中で『まんまこと』シリーズの第5弾が文庫になっていたので、読むことにしました。
 
主人公は、幼馴染の「悪友三人組」の若者たち。
うち二人は、町内の揉め事を裁定する、町名主の家柄という設定です。
 
町内で起きた困りごとについて、頭を悩ませる彼らの姿から、物語は始まります。
その解決に取り組みますが、さらに二重三重に、揉め事が絡み合ってきて・・・という展開。
 
全体としては、6つの話で構成された連作短編集になっています。
それぞれの話の中で起こった騒動、課題を主人公たちがどう、解決していくのか。
あわせて、登場人物どうしの人間関係の機微が、このシリーズの読みどころかと思います。
 
そして第5弾の本作品では、若者たちも年頃となっており、“結婚”が共通のテーマになっています。
 
作者の代表作『しゃばけ』シリーズと違い、登場人物たちが年齢を重ねていく、このシリーズ。
変わらないようで、変わっていかなければいけない。
そんな、人間の宿命のようなことも、考えさせてもらいました。
 
『ときぐすり 』 まんまことシリーズ 4
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4167903970
 
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2019年4月23日

読書状況 読み終わった [2019年4月23日]
カテゴリ 歴史・時代小説

”ユダヤ人大富豪の教え”シリーズなど、人生そしてお金に関する話題書を発表している、本田健。
 
『ユダヤ人大富豪の教えⅢ』
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B00EXODB2I
 
その本田健が、年代別に”しておきたいこと”を提示しているシリーズがあると知り、先取りして?50代向けのこの一冊を読むことにしました。
 
『はじめに』によると、著者は50代になる前に本書を執筆したとのこと。
60代以上の人たちに話を聞き、著者なりに17の項目に分けて、どのような50代を過ごすべきかを指南しています。
 
内容的には、これまで読んできた自己啓発書や中高年向けのビジネス書と、共通した部分があるかなと思いました。

その中でも、「好きか嫌いかで、取捨選択する」といった辺りには、肩の荷を軽くしてもらえたように、感じました。
ただし、“魔がさしやすい”という注意も、大切にしたいと思います。

著者が50代を終えた時に、同じ題材で書いた本を、読んでみたいと思いました。
 
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2019年4月16日

読書状況 読み終わった [2019年4月16日]
カテゴリ 自己啓発
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