自分の人生について、長い時間軸で考えたいなと思い、人生計画の本や自分より上の年代向けに書かれた本を、読むようにしています。
この本はまず、定年退職を迎えた人たちがどのような暮らしを送っているか? リアルな姿を書いています。
その内容を読むと、男性、とくに都市部で会社員生活を送っていた人はかなりの割合で、「寂しい」定年後の暮らしを送っていることがわかります。
その前提を踏まえ、後半では、「いきいきした」定年後の暮らしを送るにはどうしたら良いか、著者がインタビューした人たちの事例を交えて、アドバイスしています。
全体を通じてまず、定年を迎えてからもしくは直前になって、「何をしようか」と考えるのはかなりリスクがあることなのだと、認識しました。
著者自身も、保険会社で勤務しながら、定年を迎える前から著述家として副収入を得ていたとのこと。
できれば45歳頃から、定年に備えた行動を取ることを勧めています。
そしてこれまでは漠然と、定年を迎える前と後、という大きなくくりで考えていたのですが、体力の衰えを踏まえると、60歳から75歳と75歳以降に、分けて考える必要があるのだなと、気づかせてもらいました。
毎日通勤して多くの人の中で仕事をする、収入を得る。
そのような暮らしをしている間はある意味で「苦行」のように感じる会社員生活ですが、そのリズムがなくなった時にどのようなことが起こるのか、どのように感じるのか、具体的なイメージを持つことができました。
備えあれば憂いなし。
この分野については他の関連書籍も読むようにして、早めに取り組んでいきたいと思います。

2018年2月19日

読書状況 読み終わった [2018年2月19日]
カテゴリ 自己啓発
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人間の感情の動きとその表現方法を取り込みたい、そして単純に面白いから、興味深いからという理由で、小説を継続的に読んでいます。
しかしふと気がつくと、これまで読んだことのある「お馴染みさん」の小説家の作品ばかりを選んでしまう傾向があるなと、反省しています。
新たな領域の小説、読んでいない小説家の作品を読んでみたいと思った時に参考にしているのが、各種の文学賞。
その中でも、直木賞、芥川賞と並んで注目しているのが、本屋大賞。
その本屋大賞受賞作品が文庫化されたと知って、電子書籍版で読んでみることにしました。
架空の国が、物語の舞台になっています。
大国に攻められ、部族の反乱兵のリーダーとして抵抗していた男性が、主人公。
反乱は鎮圧され、彼は奴隷として捕らえられて、岩塩採掘の現場で強制労働をさせられています。
絶望的な状況の中である日、大きな事件が起こります。
その事件により、岩塩採掘場にいた奴隷たちは、彼を除いて皆、死んでしまいます。
ひとり残った主人公。
これからどう生き延びていくのか、そして自分の身の回りで何が起こったのか・・・という始まり。
出会った人とのつながりを起点として、生活できる場を探す主人公。
自らが生き残ったが故に、追われる立場になってしまいます。
その放浪、探索、抵抗の活劇と、事件をめぐる謎解きが、文庫版4巻に渡って展開しています。
小説のジャンルとしては、ファンタジー小説に分類されるようです。
しかし物語を読み進めていくにつれて、病気、人の体の成り立ち、自分とは何か他者とは何か、国とは何か国民とは何か・・・等々、多くのことを考えさせてもらいました。
ストーリー展開の面白さとあいまって、テンポよく、読み進めることができるので、エンターテイメント性と文学性の両面を兼ね備えた、読み応えのある小説だなと感じました。
他にも多くの作品を発表している著者のようなので、気になった作品から順に、読んでいきたいと思います。

2018年2月13日

読書状況 読み終わった [2018年2月13日]
カテゴリ 小説

(感想は最終巻にまとめて書きます)

2018年2月9日

読書状況 読み終わった [2018年2月9日]
カテゴリ 小説

自分が何か情報を発信する際に、視覚的にどのように表現するかで、受け取られかたがずいぶん違うことがあるなと感じていました。
そこで、「デザインに関する本を読もう」と思い立った時がありました。
その後も何冊か、デザインに関する本を読んでいくと、身の回りにあるモノの姿というのは、誰かしらがデザインを考えたものなのだなあと気づき、よりデザインを身近に感じるようになりました。
この本は、長年活躍してきたグラフィックデザイナーによる一冊。
色、装飾、ロゴ、レイアウト、表現というテーマで章を分けて、レイアウトについて総合的に解説・考察しています。
いずれの項目も古代からの歴史をたどって書かれているので、デザインという視点で見た人類史を読んでいるような感覚になりました。
特に印象に残ったのは、色についてと、表現についての部分。
西洋でも東洋でも、色それぞれについて何かしらの意味を持たせ、使ってきたのだなあと受け取りました。
また絵画の歴史というのは、テクノロジーの発達に強く影響を受けてきたということに、驚きました。
自分の理解度では、それぞれの項目を雑学的に読むような形になりましたが、デザインに関わる人には総合的に学べる一冊なのかなと、感じました。

2018年2月6日

読書状況 読み終わった [2018年2月6日]
カテゴリ 芸術

(感想は最終巻にまとめて書きます)

2018年1月30日

読書状況 読み終わった [2018年1月30日]
カテゴリ 小説

(感想は最終巻にまとめて書きます)

2018年1月15日

読書状況 読み終わった [2018年1月15日]
カテゴリ 小説

直木賞、そして本屋大賞の受賞経歴を持つ人気作家、三浦しをん。
自分もその作品の発表を楽しみにしている読者のひとりです。
その三浦しをんの作品が文庫化されているのに気づき、電子書籍版を探して読んでみることにしました。
舞台は東京の下町。
主人公は子供の頃からこの町に住む、ふたりの「じいさん」国政と源二郎。
73歳の幼なじみの”政と源”。
政は元銀行員、源は子供時分から働き出し、今も現役のつまみ簪(かんざし)職人。
いっぽうは几帳面でお固い性格、かたや乱暴とも言える奔放な性格。
訳あって今はそれぞれ、ひとり暮らしをしています。
悶々と考え込んでしまう政と、弟子(20歳)を迎えてにぎやかな生活をしている源。
まったくタイプの違うふたりですが、子供の頃から今まで、家族のように付き合っています。
そのふたりの日常を追いながら、源の弟子の結婚や政のぎっくり腰などの騒動が、6編の連作短編集の形で描かれています。
その描写を楽しむのが、この小説の味わいかたなのだと思います。
それに加えて、高齢になってひとりで生きることはどういうことなのか、家族とは何なのか、悠久の時間の流れの中で人の一生とはどういうものか、などなど、多くのことを考えさせてもらいました。
軽快に読めて、ずしりと残る。
さすが、三浦しをんの作品だなと感じました。
今後も作品の発表を、楽しみにしたいと思います。

2018年1月11日

読書状況 読み終わった [2018年1月11日]
カテゴリ 小説

習慣的に小説を読むようになって、ずいぶん年月が経ちました。
しかし、過去に読んだ作品が面白かった「おなじみの」作家さんの作品ばかりを選んでしまいます。
感受性を磨くという意味では、「もっと幅広く読まないといけないな」と反省しています。
なので書店巡りをしている時には、これまで読んだことのない小説家の作品にも、目を向けるようにしています。
そこで出会ったのが、この作品。
ずいぶんたくさん平積みされていたことと、これまで関連書籍を読んだことのない人物を扱った歴史小説だということで興味を持ち、電子書籍版を探して読んでみることにしました。
時代は戦国時代。
自家そして自分が生きていくためには、主君を仕物(暗殺)することも行われていた、下克上の世の中。
その中でも特に激しかった、中国地方が舞台になっています。
下克上を体現しているかのように、主君やライバルたちとの争いを生き抜いてきた、宇喜多直家。
長女、そして次女の嫁ぎ先までを滅ぼしてしまい、周囲からは「邪将」と恐れられています。
物語は、そんな直家の四女が、他家に嫁ぐ、というシーンから始まります。
父親は三女、四女の嫁ぎ先まで、滅ぼしてしまうのか。
そんな四女の苦悩と、その後の彼女に起こった出来事が描かれていきます。
謎を残したような終わりかたの第1章を読み終えると、次はいきなり、父直家の幼少時代のシーンが始まります。
読み進めていくうちに、全体として6つの短編からなる、連作短編集の形で構成されていることに気づきます。
娘の立場から見ると、血も涙もない非情な父親。
しかしその父親にも、人には言えない苦労の人生があった。
なぜ、非情と言われる行いをするのか。
短編ごとに違う視点から描き、そして時間の流れを巻き戻し、進めていくような構成を取ることで、登場人物たちの考え、行いの変遷が辿れるようになっています。
その変化に戸惑いを覚える部分もありますが、最終的には伏線が回収されていくような、複雑で重厚な小説になっています。
何が「悪」で、何が「善」なのか。
小説的な技巧もさることながら、人間の行いの根本について問いかけるような内容に、ずしりと重い読後感をもらいました。
この作品がデビュー作なのですね。
以降の作品についても、読んでいきたいと思います。

2018年1月9日

読書状況 読み終わった [2018年1月9日]
カテゴリ 歴史小説

オフィスワークを長年続けていますが、仕事で使う頻度の高いソフトウェアはやはり、マイクロソフト社の表計算ソフト、エクセル。
楽に入力・集計する方法はないものかと、以前もノウハウ本を読んで「技」を仕入れたことがありました。
しばらくその努力を怠っていたのですが、自分が使っていない技を使ってバリバリ仕事をしている人がいることを知って、「あらためて勉強しなければいけないな」と反省しました。
そこでこの本。
転職してきた若手サラリーマンが、周囲の協力を得ながら、エクセルの技を身につけて仕事をこなしていく、という小説仕立ての内容になっています。
対象となる技は、入力方法そのものから関数、さらには印刷やプレゼンまで、幅広く網羅しています。
小説仕立てなので「ボリューム的にどうかな」と心配して読み始めたのですが、その点も十分に感じられました。
レイアウトも工夫しているということで、読者の記憶に残りやすいように配慮されています。
逆にその影響で、電子書籍版では気になった部分をマーキングすることができないのが、個人的には残念に感じました。
ただし巻末にINDEXがついているので、後から個々の技を読み返せるようになっています。
「使ってみたい」と思う項目が、覚えきれないほどあったので、INDEXを活用して実践していきたいと思います。

2017年12月25日

読書状況 読み終わった [2017年12月25日]
カテゴリ 仕事術

隣国である中国、韓国、そして北朝鮮。
世界的な視点で見ると、これらの国々の人たちと日本人とは、外観的に良く似ているなあと感じます。
しかし、この三国と日本との関係が良いとは言えない状態が続いているのも、事実だと認識しています。
なぜ中国や韓国の人たちは、日本という国を非難するのか。
なぜ日本の中で、中国・朝鮮半島出身の人たちに対する差別的な言動が起こるのか。
その背景を理解したく、関連しそうな本を読むようにしています。
この本は、以前、タレントとしてTVなどでも活躍していた、アメリカ人弁護士による一冊。
中国、朝鮮半島の人たち、特に国を運営している人たちの考え方の背景に「儒教」の影響があるとして、実例を交えて解説しています。
儒教というと、「道徳的な視点を身につけさせてくれるありがたい考え」という印象があります。
しかし著者は、中国、朝鮮半島で広まっている儒教は、日本の儒教とは違う、と主張しています。
そして中国、朝鮮半島での儒教の影響として著者が特に問題視しているのは、中華思想と事大主義。
これらの視点を通し、中国・朝鮮半島の人たち、さらに国としての対応を解説し、日本側もその前提で対応しなければいけない、と説いています。
全体の感想として、視点が限定されていること、そして中国、朝鮮半島に対して批判一辺倒な点は、割り引く必要があるかなと感じました。
しかし、著者の主張を踏まえてこれらの国々の行動を見ると、「なるほどな」と感じる部分があるのも事実。
日本に対してなぜ「謝罪」を求め続けるのか、その理由のひとつを、この本から教えてもらいました。
また沖縄の問題についても、日米だけでなく中国も含めて考えるべきなのだと、認識させてもらいました。
この分野はさまざまな主張があるので、幅広く情報を集めて、理解を深めていきたいと思います。

2017年12月18日

読書状況 読み終わった [2017年12月18日]
カテゴリ 国際人

『プリンセス・トヨトミ』『偉大なる、しゅららぼん』など、西日本の歴史を踏まえた壮大な物語を提示してくれている、万城目学。
まだ読んでいない作品が文庫化されていると知って、電子書籍版を探して読んでみることにしました。
本作品は5つの短編小説が集められた、短編小説集。
全ての作品が、『西遊記』や『三国志』といった、中国の古典を下敷きにして書かれています。
表題にもなっている『悟浄出立』は、西遊記の主要登場メンバーのひとり、沙悟浄を主役にした作品。
三蔵法師、孫悟空、猪八戒といった個性溢れる同行者たちを観察し、随行するというスタンスの沙悟浄。
猪八戒そして三蔵法師と語り合うことで、自らの内面と向き合う姿が、描かれています。
西遊記については活劇的なイメージを持っていたのですが、このような視点での読み方もあるのだなあと、気づかせてもらいました。
日本の歴史を題材にした作品のイメージが強い作家さんですが、日本と中国双方の古典を読み、作品を書く素材のひとつにしているのだなあと、受け取りました。
それぞれの原典についてはうろ覚え程度の知識しかない自分ですが、現代的な文章もあいまって、苦労することなく読み進めることができました。
まだまだ引き出しが多くなっていきそうな作家さんなので、今後も作品の発表をチェックして読んでいきたいと思います。

2017年12月11日

読書状況 読み終わった [2017年12月11日]
カテゴリ 歴史小説

生誕300年を記念して開催された展示会が、数時間待ちの大盛況となり話題になった、伊藤若冲。
書店巡りをしていたところ、この絵師の名前そのものが題名になっている小説が文庫化されていたので、電子書籍版で読んでみることにしました。
舞台は、江戸時代中ばの京都。
若冲が40歳の頃から、物語が始まります。
大店の長男として生まれた若冲。
しかし商売は弟たちに任せて、長年、絵を描く日々を過ごしています。
一見めぐまれた環境にいる若冲ですが、娶った妻を亡くすという、暗い過去を背負っています。
そのような過去と向き合い、絵の世界に没入する若冲。
しかし大店であるからこその、兄弟親戚やライバル店との諍いが、次から次へと起こります。
当時の京都で一流として認められていたのは、風景や草花などの、美しさを強調した絵。
題材のリアルな面も描写する若冲の絵は、”奇抜な絵”とされますが、しだいに高い人気を得ていきます。
身に降りかかる騒動に対峙しながら、自らと向き合い絵を描く、そんな若冲の85年に渡る生涯が描かれています。
家族構成などは、通説とは異なる設定で書かれているようです。
そのため読む人によって、評価が分かれているようですが、「芸術を極めるとはどういうことか」について、ひとつの切り口を提示してもらえたなと感じました。
同時代に活躍した池大雅、与謝蕪村、円山応挙、谷文晁、といった画家たちも登場し、日本画鑑賞が好きな自分は、興味深く読み進めることができました。
まだ美術学校が無いこの時代に、画家と呼ばれる人たちがどのように自らの芸を磨いていたのか。
当時の空気を嗅がせてもらったような感覚にもなりました。
時代小説好きの人、芸術に興味がある人、人間模様を描いた作品が好きな人・・・さまざまな読者に響く部分のある作品だと思います。

2017年12月7日

読書状況 読み終わった [2017年12月7日]
カテゴリ 歴史小説

京都を舞台にした、独特の小説世界を提示してくれている、森見登美彦。
その中でもタヌキが主人公という異色の小説、『有頂天家族』。
続編が文庫化されていたので、電子書籍版で読んでみることにしました。
男(雄)ばかりの4人兄弟と、母親とで暮らすタヌキの一家が、主人公です。
人の姿に化けて、人間世界にも入り込んでいる、タヌキたち。
そして、タヌキたちにも強い影響力を持っていた、天狗。
今回は、年老いて力を失ってしまった天狗の元に、かつて弟子として育成していた「二代目」が帰ってくる、というシーンからはじまります。
師匠と弟子という立場でありながら、袂を分かってしまった、二人の天狗。
どちらが真の実力者として、君臨するのか。
そして、かつてタヌキ界の実力者だった亡き父親の跡を、タヌキの一家は継ぐことができるのか。
この二つの「跡目争い」を中心に、話が展開していきます。
「このまま、漫画やアニメになりそうだなあ」と感じたのですが、このシリーズはすでに、テレビアニメ化されているのですね。
子供世代からその親の世代まで、広く楽しめるシリーズではないかと思います。
第3弾も計画されているようなので、楽しみに待ちたいと思います。

死神が主人公というインパクトのある設定で話題となり、映画化もされた伊坂幸太郎『死神の精度』。
その続編が発表され文庫化されていると知って、遅ればせながら読んでみることにしました。
前作は短編集の形でしたが、今回は長編小説です。
今回、死神が訪れたのは、30代の小説家”山野辺遼”。
作家活動以外にTVのコメンテーターとしても活躍していた山野辺は、広く世間に知られる存在でした。
しかし1年前に、一人娘を殺されてしまうという辛い経験をします。
その辛さに耐えながら、「娘を殺した犯人に復讐する」チャンスを伺っていた、山野辺夫妻。
有名人だった彼を取材しようとする報道陣をかき分けて、家を訪問してきたのが、”千葉”(=死神)。
死神の仕事というのは、7日間対象となる人物を観察し、予定通り死ぬことを「可」とするかどうか判定すること。
山野辺は娘を殺した犯人に復讐できるのか、そして死神は彼を死ぬべき存在と判断するのか否か。
7日間の、死神と山野辺夫妻の交流、そして犯人との攻防が、心理面そして時にはアクションシーンを織り交ぜて、展開していきます。
その物語をたどりながらも、死ぬということはどういうことなのか、さらには伊坂幸太郎作品の共通テーマとも言える、他者を支配するということ、他者に(心理面を含めた)暴力を加えるということはどういうことなのか、想いを巡らせながら読みました。
あらためてふり返ると重いテーマを扱った小説なのですが、登場人物たちのユーモアを交えたやりとりも相まって、滅入ることなく読み進めることができました。
伊坂幸太郎の長編小説は久しぶりに読んだのですが、より重厚感のある作品にパワーアップしているなと、感じました。
今後も作品をチェックして、読んでいきたいと思います。

2017年11月30日

読書状況 読み終わった [2017年11月30日]
カテゴリ 小説

国内クリーニング業界最大手の、白洋舎。
その創立者である五十嵐健治が、自らの人生を振り返り、交流のあった作家、三浦綾子に語った内容をまとめた伝記作品。
明治10年に新潟県に生まれ、家庭の事情で養子に出されることになった健治少年。
高等小学校を卒業した13歳から奉公に出ますが、思い立ったら行動せずにはいられない性格もあり、東京に飛び出して行ってしまったり、軍務についたりと、職を転々とします。
無一文で宿に泊まる、北海道の原野に隔離され重労働させられる、200キロの道を自らの脚で移動する・・・等々、現代からは想像がつかない、破天荒な経験を10代20代で積みます。
紆余曲折を経てクリーニング店の経営者となった後も、爆発事故や信頼していた部下によるクーデターなど、さまざまな苦難に遭遇する人生はまさに、「小説よりも奇なり」。
自分がこれまでに経験してきた苦労など、なんということはないな、と感じてしまいました。
そして作品の柱となっているのが、五十嵐氏が放浪時代に出会った、キリスト教信仰について。
辛い経験をした時に平静でいられる、立ち向かうことができる。
(キリスト教に限らず)信仰を持つということはこういうことなのかと、自分ながらに理解させてもらいました。
発表されてから30年が経過している作品のようですが、「このタイミングで出会うことが出来て良かった」と感じさせてもらえた、一冊でした。

2017年11月25日

読書状況 読み終わった [2017年11月25日]
カテゴリ 企業研究

クリニックを経営し診療しながら、著作やTV出演等でその考えを広めている、心療内科医による一冊。
40代以降の中高年の身体、メンタルの変化について、その要因は栄養の接種と運動等の生活習慣にある、と説いています。
身体のしくみを体系的に理解するというよりは、読者が日ごろ感じているであろう心身の変化を具体的に取り上げて、そのメカニズムと対処方法を提示する、という書き方になっています。
内容的には、これまで読んできた類書と共通する部分が複数ありました。
最新の医学研究から得られた共通認識、と捉えるべきなのでしょうね。
このような本は、読んで頷くだけでなく、気になった部分をどんどん、実行していこうと意識しています。
本書で書かれていた「舌の体操」をやってみたら意外とキツかった・・・今後も続けていきたいと思います。
年齢を重ねて、心身に変化を感じるようになった人には、気づきを与えてもらえる一冊だと思います。

2017年11月21日

読書状況 読み終わった [2017年11月21日]
カテゴリ 健康

話題作を次々と発表している人気作家、伊坂幸太郎。
「しばらく作品を読んでいないな」と気づきました。
書店でチェックしたところ、この作品が文庫化されていました。
表題作を含め7つの作品から構成された、短編集です。
それぞれの作品が発表された時期や媒体は、作品によって異なるようです。
複数の視点から描き、長編小説のような重厚感のある作品もあれば、舞台の脚本のように、テンポ良く書かれた作品もあります。
それでいて、相互の作品の中で同じ人物が登場したり、エピソードが共有されていたりもします。
さまざまな表現を追求している、伊坂幸太郎らしいバラエティーに富んだ短編集だなあと感じました。
書かれているテーマとしては、”理不尽な暴力”、”救いはあるのか”、”時空のねじれ”、等々、他の伊坂幸太郎作品と共通するものもあり、今回も興味深く読ませていただきました。
ひとつ読むと、他も読みたくなってしまうのが伊坂幸太郎作品。
文庫化されている作品が他にもないか、探してみたいと思います。

2017年11月13日

読書状況 読み終わった [2017年11月13日]
カテゴリ 小説

孫正義という指導力・カリスマ性のある経営者のもと、短期間で日本を代表する企業に成長した、ソフトバンク。
そのスピードと、「何が本業なのだろう」とも感じる事業の多様性という点で、日本の中で独特の輝きを放っている会社だなあと、感じています。
その孫社長の側近として働き、社長の”むちゃぶり”と向き合い、対処してきたという著者による一冊。
現在は独立し、教育系の企業の社長として活躍しながら、ソフトバンク時代に培った「高速PDCA」のノウハウを著書として発表しているそうです。
本書はその高速PDCAのノウハウを、自身が経験した孫社長やソフトバンク社内でのエピソードを交え、わかりやすく紹介しています。
企業で働いた経験のある人にとっては、PDCAというのはおなじみの、仕事の進めかただと思います。
しかし本書を読むと、ソフトバンクでのPDCAというのは、自分が経験してきたものとはずいぶん違うものなのだなあと、感じました。
特に印象に残ったのは、目標に向けてやるべきことを分解し、日単位のレベルに落とし込んでいること。
そしてその達成度合いを、デイリーで確認すること。
達成したかどうかは感覚で評価するのではなく、数字で判断する。
目標を達成するための手段は、どれが良いのか事前検討に時間を使いすぎない。
致命的なリスクを伴うものでないのならば、考えられる手段は同時進行で試す。
試した上で、効果のあるものを抽出し、その手段に集中する。
文章で表現すると簡単なように思えるかもしれませんが、これらのことを徹底してやる、それも組織全体でそのような仕事の進めかたをしている。
このような会社はなかなか無いと思います。
ソフトバンクという会社がどうして急成長することができたのか、その秘密の一端を、伺い知ることが出来たように感じます。
個人の仕事の進めかた、グループや組織の進めかたを見直すという意味でも、若手からベテランまで、幅広い人に参考になる一冊だと思います。

2017年11月6日

読書状況 読み終わった [2017年11月6日]
カテゴリ 仕事術

オリンピック金メダリストや企業幹部といったクライアントを持つ、本国ノルウェーでは著名なメンタルコーチによる一冊。
自らのノウハウをまとめた著書を先に発表し、本国では記録的なベストセラーになったとのこと。
その著書の内容をベースにして、「実践編」としてまとめられたのが、今回の作品です。
「7日間で自分を変える」というコンセプトで、著者が行なっているコーチングの内容を、7つの要点に分けて紹介しています。
初日には何をするか、2日目は・・・という形で具体的に書かれているので、読者が実践しやすい形になっています。
特に印象に残ったのが、時間管理について。
この分野については一時期、関連する本を集中して読んでいた時期がありました。
しかし本書を読んで、「出来ていないなあ」と感じたことが複数、ありました。
時間管理以外の項目もそうですが、「以前読んだ」「知っている」ということと、「やっている」ということには大きな違いがあるなと、反省しました。
著者の軍隊での経験がベースとなっているということもあり、読者にとってはハードに感じる部分があるかもしれません。
しかし、自己啓発や仕事術に関して、網羅的にかつコンパクトにまとめられた実践書として、読んで損はない一冊だと思います。

2017年10月30日

読書状況 読み終わった [2017年10月30日]
カテゴリ 自己啓発

自らの北海道大学柔道部での日々を題材にした、増田俊也の小説『七帝柔道記』。
国際ルールとは異なる、寝技中心の柔道に学生時代を賭ける柔道部員たちの姿に、強いインパクトを感じました。
その小説の中で、旧制高校の柔道を扱った文学作品として取り上げられていたのが、井上靖の自伝的小説『北の海』。
井上靖の作品は以前、歴史を題材にした長編小説を中心に、夢中になって読んでいた時期がありました。
その井上靖が、学生時代に柔道に打ち込んでいたということに興味を持ち、電子書籍版を探して読んでみることにしました。
主人公は井上靖自身がモデルと言われている、伊上洪作。
旧制中学を卒業したものの、高校に合格することができず、「浪人」生活を送ることになった洪作少年。
両親は仕事の関係で台湾にいますが、両親の元にも行かず、また親戚とも離れて、中学時代を過ごした沼津での生活を続けます。
しかし勉強に集中せず、中学の柔道部に通っては稽古に打ち込む、そんな毎日を送ってしまいます。
そこにある日やってきたのが、旧制四校(現在の金沢大学)の柔道部員。
小柄な体の四校生。
しかし、いきなり寝技に持ち込むその柔道に、まったく歯が立たなくて・・・という展開。
幼少の頃から両親と離れて暮らし、家族という温かくもあり制約ともなる環境を知らずに育った洪作少年。
将来を考えなければいけない状況にありながらも、「とんぼのようだ」と周りに言われる、のんびりした性格。
それでいながら、逆にそうであるから、級友や先生は、彼の面倒を見てしまう。
そんな彼を取り巻く状況を、今の感覚からするとゆったりしたペースで、描いています。
ゆったりしたペースだからこそ、人の内面の変化というものを、細やかに描けているのかなあと受け取りました。
この作品は井上靖の自伝的小説三部作の、最後の作品なのですね。
他の作品も気になるので、探して読んでみようと思います。

2017年10月25日

読書状況 読み終わった [2017年10月25日]
カテゴリ 小説

(感想は下巻にまとめて書きます)

2017年10月23日

読書状況 読み終わった [2017年10月23日]
カテゴリ 小説

美術を題材にした小説、そしてあることに一途に取り組む女性を主人公にした小説など、作品を次々と発表している原田マハ。
自分もその作品の発表を楽しみにしている、読者の一人です。
書店巡りをしていたら、文庫化された作品が平積みされていたので、電子書籍版を探して読んでみることにしました。
先に読んだ『本日は、お日柄もよく』で、政治家や選挙の世界に切り込んだ作者ですが、今回はその頂点に立つ総理大臣を題材として取り上げています。
「総理の夫」が一人称で書き記した日記、というユニークな体裁で書かれています。
日本で初めて、女性として、しかも最年少で総理大臣になった妻。
国会議員の数が少ない野党の党首だった妻が、いかにして総理というポストについたのか。
与党/野党の入れ替わり、野党連合の中での駆け引きといった大きなうねりのなかで、総理として職務を務めるとはどういうことなのか。
二人の出会いの話など、この作家さんらしいリラックスして読めるエピソードを織り交ぜながら、全体として楽しく、前向きな気持ちにさせてくれるタッチで描かれています。
創作の部分がかなりあるとは思いますが、熟練政治家との駆け引きや首相公邸での日常生活の描写など、取材を重ねたのだろうなと感じました。
文庫版解説は現職総理大臣の妻が書いているということで、こちらも興味深く読ませてもらいました。
ペースよく作品を発表している作家さんなので、次の作品の文庫化も楽しみにしたいと思います。

2017年10月19日

読書状況 読み終わった [2017年10月19日]
カテゴリ 小説

戦前から戦後にかけて無敵を誇った柔道家、木村政彦。
その生涯を追ったノンフィクション『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』。
木村の練習の凄まじさ、柔道家としての強さの描写とともに、戦前戦後の日本の格闘技界の流れ、さらには朝鮮半島やブラジルとの関係も盛り込んだ、重厚なノンフィクション作品だなあと、強く印象に残りました。
その著者である増田俊也が、自らが北海道大学柔道部で経験した青年時代を小説化した作品を発表していると知り、文庫化を待って電子書籍版で読みました。
主人公は、増田俊也。
柔道部に入りたいがため、二浪して北大に入学した増田青年の、”一年目”の春。
一年先に入学していた、高校時代の柔道部の同級生と会う、増田青年。
旧交を温めながらも、その同級生が発したのは、「練習がきつ過ぎて、柔道部を辞めた」という告白。
覚悟を決めながら道場に入ると、そこには部員の汗がたちこめ、部員のうめき声が聞こえる光景が待っていた・・・という始まり。
北大柔道部の部員の目標は、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学の柔道部で争われる「七帝戦」で勝つこと。
そしてその七帝戦というのは、一本のみでの決着、待ったなし、場外もなしという、講道館ルールとは全く異なる柔道。
「練習量が強さを決める」という七帝柔道で強くなるために、必死で練習を積み重ねる、増田青年の日々が描かれています。
絞め技に”参った”をしても手を緩めない、練習の厳しさ。
新聞にも載らないような”ローカルな大会”、七帝戦で勝つという目標。
青春を謳歌する、大学の同級生。
悩みや疑問を抱きながら練習を続ける、増田青年の姿を読み進めていくうちに、「人間は何のために生きているのだろう」と、考えてさせてもらいました。
ただ苦しいだけでなく、”練習以外では”優しい柔道部の先輩たちとの交流もコミカルに描かれているので、青春小説として楽しめる内容にもなっています。
「ここで終わってしまうの?」というラストだったのですが、どうやら、続編があるようですね。
続きが気になるので、文庫化されるのを楽しみに待ちたいと思います。

2017年10月17日

読書状況 読み終わった [2017年10月17日]
カテゴリ 小説

社会が大きく変化していることを、実感しています。
具体的にどのような価値観や行動原理が求められるのか?自分自身どのような備えをすべきなのか?不透明さや不安を感じています。
そのため、未来予測に関する書籍を、意識して読むようにしています。
この本の著者は、過去に未来予測の分野で複数の話題書を発表してきたという、フランスの知識人。
過去に大統領の顧問をつとめた経験もあり、「ヨーロッパ最高の知性」と称されているそうです。
そんな著者が、これまで発表してきた未来予測をどのように行ってきたか、そのベースとなる考え、方法を開示した一冊です。
前半は、これまで人類がどのように未来予測をしてきたのかを、幅広い視点で総括しています。
その上で、21世紀の現在、どのような形で未来予測ができるのか、その予測対象をどのように捉えるのかについて、著者の考えを提示しています。
後半部分について、以下に自分なりの要約を記述します。
・コンピュータおよびデータ収集/分析技術の発達により、データをバックグランドにした未来予測がされるようになる
・これまでは原因と結果、という視点で捉えられていたが、今後はデータと事象の相関関係に、焦点が当てられるようになる
・社会の権力は、有効なデータを収集し活用する組織が、握るようになる
・個人や個人が属する組織の未来は、従来に比べてかなり多くの部分で、予測できるようになる
・そのため、運命論的に生涯を送っているような感覚に、陥る危険性がある
・大切なのは、未来予測を踏まえて、どのような未来を作り上げていくかという意思と、その実践である

個別の内容では、健康や金融の面でどのようなデータが集められ予測が立てられているのか、といったあたりが気になりました。
そして全体としては、 どのような未来を送りたいのか?自分自身で整理しなければいけないなと、感じました。
終盤にその具体的な方法が書かれているので、大変そうではありますが、実践していきたいと思います。

2017年10月11日

読書状況 読み終わった [2017年10月11日]
カテゴリ 自己啓発
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