超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル - 仕事で使える5つの極秘技術 -

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  • ワニブックス (2022年9月16日発売)
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デジタル技術の発達やSNSの普及に伴い、フェイクニュースと呼ばれる偽情報の蔓延が、問題視されるようになってきました。
また、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、日本周辺の各国の動きも、活発になっています。
誤った情報に振り回されず、状況を理解して自分の行動を決めたいと思い、関連する書籍を探して読んでいます。

この本は、国と国の競争・争いに関する情報を、自らの身を危険に晒して収集・分析している諜報員のスキルを題材にしたビジネス書。
特に情報の取捨選択について、学びが得られることを期待して、Audibleで聴くことにしました。
著者は元、防衛省情報分析官とのこと。

本書は全6章で構成されています。

まず第1章で、諜報員はどのような活動を行っているのか、どのような訓練を受けてどのような能力を持っているのかを紹介しています。
そして諜報員が持つ能力の中から、ビジネスパーソンに役立つものを抽出して、第2章以降に解説しています。

第2章は、情報収集能力について。
フェイクニュースへの対処方法について、特に興味を持って読みました。
感情を揺さぶられるような情報に接した場合は、飛び付かず、確認することを心がけたいと思います。

第3章は、人心掌握術。
“本命”の人にいきなりアプローチしない、本当に聞きたいことは、雑談の中に混ぜる。
ビジネスなど、一般のコミュニケーションにも当てはまるのかな? と感じる部分はありました。
しかし日常生活においても、欲しい情報を得るのが難しい時もあるので、参考にしたいと思います。

第4章は記憶術について。
自分自身、記憶することは諦めて、メモをとろうと思っているのですが、洋の東西を問わず、さまざまな記憶法が実践されてきたのですね。

第5章は、得た情報を分析し、使えるものにする能力について。
「AかBか?」を予測するのではなく、どちらになったとしても対応できるように準備すること。
また、時系列に整理する「クロノジー分析」なども、使ってみたいと思いました。

第6章は、困難な状況でも、冷静に対応できる能力について。
”怖いもの知らず”というタイプは諜報員のチームから外される、という話は、意外に感じました。
チームで重要な仕事を行うにあたって、どのような人を選ぶべきか?という視点で考えると、「そうかもしれないな」と思いました。

全体を通じて、ビジネスに応用できるスキルの説明については、他のビジネス書と重複する部分もあるように感じました。
それだけ、軍事分野で誕生、発達したものが、ビジネスの世界に転用されている、ということなのでしょうね。

世の中に溢れる情報を、どのように取捨選択するか、そこから何を見出し、どう行動するか。
これらのノウハウは、今後ますます、必要になりそうですね。

個人的には、諜報員という、非日常的な存在の人たちがどのように考え、行動しているかという部分を、興味深く読みました。
“諜報員”、“スパイ”に関する書籍は、読み物としても面白いということがわかったので、類書があればまた読んでみたいと思います。
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 仕事術
感想投稿日 : 2023年12月18日
読了日 : 2023年12月18日
本棚登録日 : 2023年12月18日

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