かつて、ろう者が多く暮らすアメリカの小さな島で、聴者もろう者も当たり前に手話でコミュニケーションをとっていた頃の話。事実を基にしたフィクションとのことです。
その平和な生活の中に、「聞こえないことは病気」「その原因を究明する」と科学者(アンドリュー)が訪れ、主人公の少女メアリーを連れ去る。そこで彼女が受けた扱い、偏見と傲慢に満ちたアンドリューの考えに憤りを感じながらも、いわゆる「少数者」に対して私の中にも偏見の感情が自覚せずともあるのではと自らを省みました。
現在、手話は言語として認められています。自分とは違う存在を全て受け入れることは難しくとも、差別をなくすためにも、知る、認識するということがまず第一歩ではないかと思いました。本書は児童書の扱いですが、大人が読んでも読み応えがあるし、こういう本こそ学校図書館に置いて欲しいと思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2022.5読了
- 感想投稿日 : 2022年5月3日
- 読了日 : 2022年5月3日
- 本棚登録日 : 2022年5月2日
みんなの感想をみる