題名にもある1919年といえば、ワイマール憲法が制定された年。世界史でこれを習った時、なんて人々の権利に篤く、進んでいるんだろうと思った記憶がある。でもこの本を読むと綺麗事とは程遠い惨禍が描かれていて、歴史の年表の大枠でしか捉えられていなかった自分がとても恥ずかしい。上巻から思っていたのだけれど、大人の事情や正義の争いにこどもが巻き込まれるのが本当に可哀想すぎる。ヘレの両親には途中で違和感と怒りを覚えた。確かに彼らは戦わなければいけなかったかもしれない。ただそれは、子どもが子どもであることを犠牲にしてまで叶えなければいけないものなのか。革命、内戦を通じて、ヘレが無理やり大人にされていく感じがして悲しかった。
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- 感想投稿日 : 2021年1月3日
- 読了日 : 2020年11月9日
- 本棚登録日 : 2021年1月3日
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