抱擁、あるいはライスには塩を

著者 :
  • 集英社 (2010年11月5日発売)
4.01
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本棚登録 : 2963
感想 : 369
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何度読んでも最高。装丁も、銀色の見返しも好き。センスいいな、集英社(笑笑!
大きなお屋敷に暮らす、お金持ち一家の、3代にわたる家族の物語。1963〜2006年の43年間のあちこちが、違うキャラの視点からランダムに描かれるが、混乱させず、10人のキャラ(プラスその友やら夫やら愛人やら)の人となりと関係性を読者の頭に染み込ませていく手腕は本当に本当にさすがというしかない!

私は食べ物も着るものの描写がないストーリーは興味もてないのだが、そこはもう江國香織さま、食とファッションがそれぞれの個性を鮮やかに彩ってくれている。

まるでこの、ちょっと変わった一家の一員となったかのように愛おしく感じられ、離別には泣かされる。ひとつの出来事が時を経て別の視点から語られることで膨らみをもって「歴史」になってゆく。いいなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月29日
読了日 : 2021年7月29日
本棚登録日 : 2021年7月29日

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