日本で働く 外国人労働者の視点から

  • 松籟社 (2021年3月25日発売)
4.50
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 39
感想 : 8
4

【書誌情報】
日本で働く――外国人労働者の視点から
編著:伊藤泰郎・崔博憲
装丁:安藤紫野(こゆるぎデザイン)
定価:本体2600円+税
ISBN:978-4-87984-384-5
発売:2021年3月25日

現代日本を支える外国人労働者について、私たちはどれだけ知っているだろうか。彼/彼女たちは、どんな事情で故郷を離れ、どのように日本で生きているのだろうか。そして、彼/彼女たちの目に縮小する現代日本はどのように映っているのだろうか。 タイ、ベトナム、フィリピン、ブラジル、メキシコ、アフリカから来る技能実習生や日系人たちをとりあげ、統計、聞き取り、支援活動の経験から「向う側」の視点にせまり、日本で働く外国人労働者と私たちの関係を見つめなおす。
[http://www.shoraisha.com/main/book/9784879843845.html]


【目次】
目次 [001-009]
凡例 [010]

序章 外国人労働者から見える日本社会[崔博憲] 011
 1 外国人労働者に依存する日本社会
 2 戦後日本と外国人労働者の受け入れ
 3 外国人労働者から見える日本社会
 4 天秤にかけているのは誰なのか
 5 コロナ禍の外国人労働者
 参考文献 

  第1部 近年の外国人労働者をめぐる状況

第1章 統計から見た近年の外国人労働者の動向[伊藤泰郎] 031
 1 人手不足と外国人労働者
 2 在留外国人数から見る近年の変化
 3 「外国人雇用状況」の届出状況
 4 「特定技能」の創設とコロナ禍の影響
 参考文献 

第2章 外国人労働者に関する入管法制の変遷[四方久寛] 067
  1 本章の目的
  2 日本の外国人政策
  3 一九八〇年代まで
  4 一九九〇~二〇〇七年
  5 二〇〇八~二〇一八年
  6 在留資格「特定技能」の創設
  7 外国人労働者受け入れの現在と課題
  参考文献 096

第3章 「食の外部化」と外国人労働者――食料品製造業を中心に[飯田悠哉・伊藤泰郎] 097
 1 フードシステムを支える外国人労働者
 2 中食の供給構造
 3 食料品製造業の労働市場
 4 「仕事によって格がある」
 5 惣菜・弁当工場という職場
 6 外国人労働者と私たちの胃袋
 参考文献 

第4章 建設業と外国人労働者[北川由紀彦] 125
 1 「フロントドア」からの受け入れが始まる
 2 建設業と外国人労働者
 3 資格外就労者から技能実習生へ
 4 建設業における技能実習生
 参考文献 142

コラム 外国人労働者への法律支援[四方久寛] 145


第2部 技能実習生
第5章 変わりゆく農村を後にして――ベトナム北部農村の工業化と技能実習生[川越道子] 161
 1 変わりゆく農村と技能実習生
 2 ベトナム北部農村の工業化
 3 元技能実習生たちの声
 4 「開発途上地域」から「新興国」へ
 参考文献 

第6章 日常のなかの移住労働――タイ人技能実習生を中心に[崔博憲] 199
 1 あれから二五年
 2 安い労働力
 3 日本で働くとは
 4 開発から市場へ、貧困から消費へ、農民から移住労働者へ
 5 いま、タイから日本はどのように見えているのか
 6 日常のなかの移住労働
 参考文献 

 コラム 次はない?―フロンティアはいま[崔博憲] 
 コラム 「コンチャウ・ネット」から見えてきたもの[川越道子] 


第3部 日系人

第7章 過疎化農村を多文化社会へ再生する日系ブラジル人学校――滋賀県東近江市甲津畑町の「ラチーノ学院」を事例として[中田英樹] 257
 1 過疎化が進む農村とブラジル人学校
 2 日系ブラジル人の教育と「ラチーノ学院」
 3 甲津畑へ移転したラチーノ学院の変化
 4 過疎化とラチーノ学院の受け入れ
 5 交流と地域活性化
 6 「地産地消」される米
 7 過疎化する農村とブラジル人
 参考文献 

第8章 日系フィリピン人一家の「家庭菜園」の意味
――日本の労働市場におけるインフォーマリティ[吉田舞] 285
 1 ジャスト・イン・タイム労働者
 2 ライザ一家
 3 労働力不足と日系フィリピン人労働者
 4 「外国人労働者」とインフォーマリティ
 参考文献 

 コラム ブラジルにおける日系人をめぐる最近の状況[四方久寛] 313
 コラム 日本の周辺労働市場の再編として捉える日系自動車産業のメキシコ進出[中田英樹] 325


第4部 さらなる周縁へ
第9章 かれらの前には誰がいたのか――園芸産地の季節労働市場における国内労働者[飯田悠哉] 339
 1 外国人の前に誰がいた?
 2 輸送園芸産地と季節的労働市場
 3 高冷地園芸における季節雇の労働世界
 4 さらに柔軟で従順な労働力へ
 参考文献 

第10章 在日アフリカ人の移動と労働――日本とアフリカの視点から[坂梨健太] 369
 1 「見えない」在日アフリカ人
 2 来日の経緯と日本での仕事
 3 統計からみる
 4 事例からみる
 5 在留資格からみる
 6 アフリカからみる
 7 「見えない」在日アフリカ人を見る
 参考文献 

コラム 十三の「中国エステ」で働くということ[青山薫] 399

終章「移民ではない」移民[西澤晃彦] 413
 1 日本の外国人労働者と「新しい世界地図」
 2 技能実習生という編入様式
 3 「移民の受け入れではない」をめぐって
 参考文献 437

あとがき(二〇二一年三月 伊藤泰郎) [-443]
著者一覧 [444-445]


【略歴】
伊藤泰郎(いとう・たいろう)
広島国際学院大学情報文化学部教員 主な著書・論文に「外国人に対する寛容度の規定要因についての考察:接触経験とネットワークの影響を中心に」(『部落解放研究』17、広島部落解放研究所、2011年)「「在日コリアン」の日本国籍の取得に関する意識の計量的分析」(『部落解放研究』20、広島部落解放研究所、2014年)

崔博憲(さい・ひろのり)
広島国際学院大学情報文化学部教員 主な著書・論文に『コンフリクトと移民―新しい研究の射程』(共著、大阪大学出版会、2012年)、『戦後日本の〈帝国〉経験―断裂し重なり合う歴史と対峙する』(共著、青弓社、2018年)

四方久寛(しかた・ひさのり)
弁護士(大阪弁護士会所属)

飯田悠哉(いいだ・ゆうや)
龍谷大学農学部非常勤講師

北川由紀彦(きたがわ・ゆきひこ)
放送大学教養学部教員

川越道子(かわごえ・みちこ)
広島国際学院大学情報文化学部教員

中田英樹(なかた・ひでき)
社会理論・動態研究所所員

吉田舞(よしだ・まい)
日本学術振興会特別研究員RPD

坂梨健太(さかなし・けんた)
龍谷大学農学部教員

青山薫(あおやま・かおる)
神戸大学大学院国際文化学研究科教員

西澤晃彦(にしざわ・あきひこ)
神戸大学大学院国際文化学研究科教員

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 366.労働問題
感想投稿日 : 2022年6月14日
読了日 : 2022年6月13日
本棚登録日 : 2022年6月13日

みんなの感想をみる

ツイートする