「日本」とはなにか?
というタイトルから、やや一般論的、本質論的な議論かなと思って読み始めると、たしかにそういう面もあるのだが、まさにそのタイトルどおりに、日本という国の名前はいつ使われ始めたのかというところから、話は始まる。
で、その起源は、他国、つまりは中国との関係ででてきたもの。ある意味、そうだろうな〜。国名って、他の国があるから、でてくるものだろうからな。
国名からして、そんな感じなので、日本を独立した島国の一民族の農耕民族としてホモジェニックな社会として捉えられがちな思考を気持ちよくらしてくれる。
日本という土地、陸を中心とした歴史ではなくて、海や川で、他国とつながった国としての日本。
多様性を持った国。関係性のなかにある国。
網野さんの晩年の作品で語られてきた歴史感の総まとめみたいなものであるが、この本は完成形になっているわけではななくて、まだまだ研究しなければいけないテーマはたくさんある、という投げかけがなされている。
自分がそれらの仕事を完結できないので、次の世代の研究者への投げかけということなんだろうけど、自身としても、最後まで、問いを探求していく人なんだなと思った。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年7月8日
- 読了日 : 2020年7月8日
- 本棚登録日 : 2020年7月8日
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