「隷属の道」を読んで衝撃を受けたハイエク。
新古典派的な自由主義の経済学者と思っていたら、どうも全く違うみたい。
ここにいるのは、ポストモダンで、複雑系な思想家、経済学者。
この先進性は一体何なんだ?
ハイエクのいう個人主義は、社会主義という用語に対しての個人主義。
個人主義といっても、新古典派みたいに合理的な独立した意思決定主体として個人が想定されているわけではない。社会があって、人間関係があるからこそ関係性として出て来る個人という感じ。そして、合理性は全く想定されていない。
一部の経済学的な議論は、専門的難しいところも多いが、向かっている方向はすごく共感する。
経済学だけではなく、社会科学なるものが、自然科学とは全く違うものであること。人間が相互に生み出す意味、質についての、対話的な探求であるという社会構築主義的な世界観。
そして合理性、個人の独立性を仮定した経済人ではなく、主観的な判断や感情をもとに行動する行動経済学的な方向性。
さらに、そういう個人のインターアクションを通じて、秩序が自己組織化するという複雑系的な展開。
これは、あまりにも先駆的で、当時は理解されなかっただろうな〜。
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- 感想投稿日 : 2018年7月27日
- 読了日 : 2018年7月10日
- 本棚登録日 : 2018年7月27日
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