ドラッカー名著集9 「経済人」の終わり (ドラッカー名著集 9)

  • ダイヤモンド社 (2007年11月16日発売)
4.12
  • (26)
  • (8)
  • (13)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 301
感想 : 29
5

"ドラッカーの処女作。

経営の話しでなくて、全体主義が、社会的、経済的、政治的になぜ出てきたかという話しと、今後の見通しとして、ナチスはソ連と手を結ぶだろうと、だれもが電撃的な不可侵条約に驚く前に、それがほとんど必然であることの予言。

1939年、ドラッカー29才のときの作品ということだが、この分析の重厚さ、鋭さ、先を見通す力はとんでもないものがある。それだけでも驚きなのだが、これは1933年、ナチスが政権をとったとき、つまり23才から書き始められたということ。

ドラッカーって、そこまで好きではないので、こういう戦前の作品は、マニアが読むものだと思っていた。ところが、これはドラッカーが書いたということを外して、全体主義の分析として古典のレベルとなっている。

ドラッカーのスタートがここにあるのかと思うと、ちょっとドラッカーの読み方が変るかもですね。

ほんとすごいよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年4月30日
読了日 : 2017年1月5日
本棚登録日 : 2017年4月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする