スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法

  • CCCメディアハウス (2004年10月1日発売)
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感想 : 32
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世界のどんな人でも、知人をたどっていけば6人でつながる。

という話しの原典。

と思って読んだのだが、どうもそんなに簡単な話しではなさそう。

何年か前に、ネットワークもの、非線形ものの本をまとめて読んでいたことがあった。本書は基本図書なんだけど、なんとなく読んでいなかった。

6次のつながりの話しは、だいたい他の本で紹介してあるし、先に読んだバラバシの「新ネットワーク思考」で、スモールワールドネットワークは批判されていて、説得力のあるものだったんので、読まずにそのままにしていた。

で、読んでみると、この本は、実は「新ネットワーク思考」のあとに出たもので、バラバシの仕事を評価しつつも、反論したり、皮肉ったり、というところが学会の裏舞台の人間らしい感じで面白い。

内容的には、スモールワールドネットワークについて、バラバシの批判なども踏まえながら、さまざまな改良を行ったり、現実の社会に当てはめたりみたいな感じかな。

原題のタイトルの6次のつながりの話しについては、そのもとになった実験の方法論を批判して、かならずしもそんなものではないだろう、みたいなことも書いてあったりする。(それを言うなら、原著のタイトルがおかしいんじゃない?)

で、結局のところたどり着くのは、複雑な世界では、人間は後付けでしか理由を説明できないという話し。

そうなんだよね。科学って、決定論でなくてもいいはずだよね。

全体として、面白くはあるが、「ネットワーク系」のなかでずば抜けて面白いというのでもないかな?

私のおすすめは、ダンカン・ワッツの師匠ストロガッツの「SYNC」です。これは本当に面白いよ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年5月3日
読了日 : 2015年9月26日
本棚登録日 : 2017年5月3日

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