世界のどんな人でも、知人をたどっていけば6人でつながる。
という話しの原典。
と思って読んだのだが、どうもそんなに簡単な話しではなさそう。
何年か前に、ネットワークもの、非線形ものの本をまとめて読んでいたことがあった。本書は基本図書なんだけど、なんとなく読んでいなかった。
6次のつながりの話しは、だいたい他の本で紹介してあるし、先に読んだバラバシの「新ネットワーク思考」で、スモールワールドネットワークは批判されていて、説得力のあるものだったんので、読まずにそのままにしていた。
で、読んでみると、この本は、実は「新ネットワーク思考」のあとに出たもので、バラバシの仕事を評価しつつも、反論したり、皮肉ったり、というところが学会の裏舞台の人間らしい感じで面白い。
内容的には、スモールワールドネットワークについて、バラバシの批判なども踏まえながら、さまざまな改良を行ったり、現実の社会に当てはめたりみたいな感じかな。
原題のタイトルの6次のつながりの話しについては、そのもとになった実験の方法論を批判して、かならずしもそんなものではないだろう、みたいなことも書いてあったりする。(それを言うなら、原著のタイトルがおかしいんじゃない?)
で、結局のところたどり着くのは、複雑な世界では、人間は後付けでしか理由を説明できないという話し。
そうなんだよね。科学って、決定論でなくてもいいはずだよね。
全体として、面白くはあるが、「ネットワーク系」のなかでずば抜けて面白いというのでもないかな?
私のおすすめは、ダンカン・ワッツの師匠ストロガッツの「SYNC」です。これは本当に面白いよ!
- 感想投稿日 : 2017年5月3日
- 読了日 : 2015年9月26日
- 本棚登録日 : 2017年5月3日
みんなの感想をみる