岡田斗司夫さんと、福井健策さんの著作権についての対談集。
この本の面白いところは、法律の専門家である福井さんに、コンテンツビジネスのことを考えまくっている岡田さんが、かなりインサイドギリギリの危険球を投げまくっているところ。岡田さんの突飛だけれど本質を突く質問に、福井さんは法律の専門家として真摯に答えているところが面白かった。
結論から言えば、コンテンツで稼げる人間は日本で10000人くらい、というのはかなり的を射た数字じゃないかと思う。現在はプロとアマの境目が限りなく薄くなり、素人が大人気になる一方、玄人はつねに厳しい目に晒されてオワコン化していく……
そういうなかで、文化でご飯を食べていくための「著作権」や「それ以外のビジネスモデル」について、さらには国際的な競争力の維持について、物凄く細かく幅広く論じ合っているところが面白かった。結論は、やっぱり「クリエイティブは趣味でやったら?」に尽きるのかなぁ。それが歴史的に観ても伝統的な在り方だし、現在に至って吟遊詩人が復活する世界というのも、それはそれで面白い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2012年5月11日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年5月11日
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