歴史、教育、ボランティア、仕事、社会福祉、文化、戦争、生と死、、、日本社会の様々な側面に焦点をあてた、「人生の基本」についての著者二人による対談です。
世界とは人生とは、不条理であることが当然であり、それを与えられたものとして、自らの勇気と覚悟をたのみに生きていく。
この当たり前のことが、今失われている、と、著者二人の経験や思想、現代社会の現実を具体的に紐解き、愛する祖国への警鐘を鳴らしています。
人は、意識せず、偽善を行なってしまう場合がある、と私は考えます。
しかし、著者達が本書で伝えたかったのは、「意識せず」ではないよ、根本の考え方が、甘っちょろくなってるよ、ということです。
ここで改めて、自らの思想・行動を見つめなおす良い機会となりました。
本書で両氏が語った言葉から、特に共感した言葉を一つずつ(いっぱいありすぎて、一つだけに絞るのは心苦しいのですが)ここにご紹介し、読後の感想を終わります。
【本書抜粋 金美齢】
安易に弱者の味方をし、社会や国を批判することが正義だといわんばかりの偽善が、世の中に溢れています。
それがどれほど日本人のあいだから「自助」の精神を奪っているか。
その一方で、どんなにセーフティネットが整えられても、その世話にはならないという気概を持って生きる人たちのことは顧みられない。
これは、とても健全な社会のあり方とは思えません。
【本書抜粋 曽根綾子】
人間はつねにいささかの悪をしながら、時にはかなりの善をなすこともできる。
この感覚が私は大事だと思っているんです。
自分の内部におけるこの善悪の配分の時に必ず起きる、一抹の不純さの自覚が人間をつくるのだと思うんです。
- 感想投稿日 : 2013年5月11日
- 読了日 : 2013年5月11日
- 本棚登録日 : 2013年3月23日
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