架空通貨 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2003年3月15日発売)
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本棚登録 : 3314
感想 : 260
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金融ミステリー、面白かった。

架空通貨ということで、ビットコインをイメージしてしまいますが、本作が描かれたのは2000年。
ここで描かれる架空通貨は本書の表紙絵に描かれているように田神亜鉛が発行する振興券。これをめぐる金融ミステリーとなっています。

しかし、ちょっと人物設定には納得がいかない(笑)
主人公は、元商社マンの高校教師の辛島とその教え子の麻紀。
ストーリとしては、麻紀の父親が経営する会社が出した1回目の不渡りをトリガーに、麻紀に相談された辛島がその会社の破綻を防ぐため調査を開始。田神亜鉛の社債を換金しようと田神町に乗り込みますが、そこで見たものは、田神札と言われる振興券。
田神亜鉛でもっている小さな町ゆえに、この田神札を使った支払いのせいで、関連会社、下請けの資金繰りが苦しくなっていきます。

この会社と調査しようと、自らの旧人脈を駆使し調査をすすめ、ついに真相にたどり着きます。
そこには、コンサルタントの加賀、やくざの絡むマネーロンダリング、幽霊会社を使った買収、そして計画倒産といった様々な思惑が動く中、ついに田神亜鉛が...
といったところです。

はらはらドキドキで楽しめるのですが、人物設定がちょっと違和感でした。

なにが違和感って
主人公の高校教師がそこまで首を突っ込むか?
あんなこと、そんなことまでやっちゃうのか?
旧人脈の人ってそこまで動いてくれちゃうの?
麻紀が高校生とは思えない行動、言動。
などなど。

ちょっと現実離れしたところも多々ありますが、エンターテイメントとしてはとても楽しめました。

お勧め!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2018年2月25日
読了日 : 2018年2月25日
本棚登録日 : 2018年2月25日

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