こんなに素晴らしい図鑑が出ていたのを知らなかったのは不覚でした。
さまざまな人工物を、タイトル通り分解して、その仕組みを紹介。細密なドローイングは見飽きることがありません。
スマートフォン、プッシュホン、黒電話機など、同じ機能を異なる仕組みで実現していく技術の展開に触れるのもよいし、都市の地下構造、トンネルの構造とシールド構法、からの球技のボールの断面、って地球だと思うじゃん(笑)
ヒートポンプのメカニズムなども、ごまかさずにきちんと説明しようとしているのがすばらしい。子供向けのものにありがちな、難しすぎるのはなんなので、まあこんなもんでしょう、みたいな傲慢さはなくて、本当はこうなってる、わかってくれ、という気迫がある。
メカニズムだけでなく、原材料の追求も面白い。
カレーは何でできているのか。
ではその調味料やスパイスは何からどう採れるのか。
逆に原材料を起点として、米から、小麦から、大豆から、魚から、茶葉から、石油から、どれほどのものが作られているのか。
ホモファベルの面目躍如の一冊。
デビッド・マコーレイ『道具と機械の本』と並べておくことにする。
私が一番好きな解説文は「ちくわぶ」の「ちくわでも、ふでもありません。」
泣ける。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年8月9日
- 読了日 : 2021年8月9日
- 本棚登録日 : 2021年8月7日
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