語り部(見届ける者というか)として通しで登場する本多はもう50歳を過ぎていて、僕とほぼ同い年(読んでて結構辛い)。
三島は、ここでも冷徹に歳をとることの過酷さを描いている。
彼はたまたま弁護した裁判の結果、巨万の富を得ているが、お金があったとしても年齢からは逃れられないことを際立たせているように思う。
第1巻で若き2人を破滅に導くこととなった蓼科が95歳で再登場したとこに驚いたが、これも老いの厳しさと業を描いていて、印象に残った。
タイとインドへの旅、タイの王妃ジン・ジャンの妖しい魅力などから4部作の中でも最もカラフル。小説としてもここまでの3冊はどれも面白く、さすがだなと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年10月23日
- 読了日 : 2021年10月23日
- 本棚登録日 : 2021年10月23日
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