金閣寺・銀閣寺の住職が教える 人生は引き算で豊かになる

著者 :
  • 文響社 (2017年3月29日発売)
3.70
  • (7)
  • (8)
  • (10)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 92
感想 : 12
5

人間関係の悩み、仕事、子育て、自分自身について色々あるときに、「執着を手放すこと」と、見方を変え「転ずる力」を養うことが大切であると説いた本。
1.執着を捨てる、2.足るを知る、3.今日を丁寧に生きる、4.捨てた分だけ楽になれる、5.気持ちをサッと切り替える、6.あたり前に気づくという6つのことを各章で、臨済宗の故事や教えを引き合いに語られていく。どの故事もなるほどと思うことばかりで、臨済宗の教えの深さに薫陶を受けました。

以下心に残った故事について記載します。
・紅炉一点雪(こうろいってんのゆき)
暖炉の上に一片の雪が舞い落ちるとすぐに溶けてなくなる
=>紅炉一点雪のように人生は一瞬で儚い
=>紅炉一点雪のように痕跡を残さない(努力の跡を残さない)

・東山水上行(とうざんすいじょうこう)
東の山が水の上を動く
=>普段水は動くもの、山は動かないものと思っているが、その先入観を捨てると型の力が抜け、自然体で受け入れられる
=>嫌な人、苦手な人と思う前にどんな人だろうと無邪気な気持ちで相手を見つめる

・喫茶法(喫茶法)
お茶でも飲もう
=>お茶を飲むというごく日常の中にこそ本当の真実がある

・知足
足るを知る
=>足るをしることが、本当の豊かさにつながる

・一掃除二信心
まず掃除、その後に信心
=>常に掃除をし、心のホコリを取り払っていれば、心の本来の感性が蘇る

・和敬清寂
仲良くする、尊重する、清らかである、手放す

・直心是道場(じきしんこれどうじょう)
まっすぐな心こそ仏道場である
=>どんな環境でも真っすぐ学ぼうとすれば学べる、直心を忘れない

・日々是好日(にちにちこれこうにち)
毎日が良い日
=>感情的になったとしても、それをサッと切り捨て、再び心を晴れやかにする。感情にも執着しない。

・千里同風
千里はなれば場所でも同じ風が吹いている

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2023年1月9日
読了日 : 2023年1月9日
本棚登録日 : 2023年1月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする