困窮女性のための住宅施設、パリ11区にある女性会館を舞台にした100年を行き来する物語。創設した救世軍のブランシュ&アルバン夫妻の情熱を描いた伝記小説部分にも、もがきながら生きる女性たちが紡ぐ現代パートにも深く感動した。
フランス人の作者でさえ存在を知らなかったという女性会館Palais de la Femme、この本を読むと、創設できたことも、それが今もあることも奇跡のように思える。人を助けること、寄り添うことの難しさと、理解しあい連帯できる希望が描かれているし、冒頭の詩をはじめ、祈りの言葉があふれている。
ただ、原文がそうなんだろうけど、短い文章をリズムよく重ねていく文体で、日本語訳だと体言止めが多く、一文の長いのが好きなわたしとしては読み進めるのに引っかかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年2月6日
- 読了日 : 2021年2月6日
- 本棚登録日 : 2021年2月3日
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