ドリ-ム・ギバ-: 夢紡ぐ精霊たち

  • 金の星社 (2008年12月1日発売)
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本棚登録 : 136
感想 : 27
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 『ザ・ギバー』の続編かと思った。原題全然ちゃうやんけ!! 出版社だか訳者だかのあざとさにはほとほと呆れるけれども、これはこれで、やさしくて繊細ないいおはなし。
 原題にもなっている「ゴッサマー」とは蜘蛛の糸(遊糸)のことなのだそうだ。やさしい言葉で丁寧に紡がれた物語は、それこそリトレストのゴッサマーの手つきを思わせる。
 悪夢をもたらすシニスティードについてはあまり語られていないが、人間の負の記憶に「のめり込んでしまう」ことがドリーム・ギバーを闇オチさせるようだ。人間の世界でも同じかもしれないな。たとえばロイス・ローリーのような児童文学作家みたいに、他人に夢を与えようとする人は、人間の悪いところばかりを見つめるのではなく、善い部分を信じ続けるべきなのだろう。

 ジョンが父親にドッグフードを食べさせられた過去を告白するシーンが印象的だった。ジョンは「自分が悪い」と言っていた。そうか、ジョンは自分のことを好きになれないから、他人を大切にできないんだな、と。


【メモ】
・蜻蛉日記=The Gossamer Years

原題:GOSSAMER

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー:海外
感想投稿日 : 2013年6月29日
読了日 : 2013年6月28日
本棚登録日 : 2013年6月28日

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