名古屋学 (新潮文庫 い 54-1)

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  • 新潮社 (2000年3月1日発売)
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名古屋(を中心とした文化圏)の解説本

僕がこっちに来てから15年くらい経つわけで、
人生の中で一番長く住んだ土地になるまであと数年
こっちの文化や風習に大きくに面食らった事はないけど、ちょっとした違和感が地元民との差異を感じる機会はあった
これを読むと「確かにこんなことあった」と思い出せる


上司がメーカーの見積もりでさんざん値切って導入がほぼ決まった末に「4の数字は縁起が悪い」という理由でさらに端数を値切ってた事あったなぁ
「では、切り上げましょうか?」と切り返しをする営業さんもなかなかだと思ったけどさ
結局切り捨てで丸まった数字で決着したあたり、書かれてあることが全くの嘘というわけではないというのは実感としてわかる

ただ、僕が交流のある人で生粋の名古屋人ってあまりいない気がするんだよな


会社が無借金経営で銀行がむしろ頭を下げに来ると言うのはよくわかる
実際に、うちの会長が取引銀行の支店の駐車場で「駐めにくいな」と言っただけで、その日のうちに改修工事が入ったという噂があったけど、その真偽はどうなんだろうな?
あと、そこの支店はうちとの取引でもってるようなものというのも含めて、どこまで本当なんだろうな?

銀行から借金できるのも会社の信用のうちという意見もあるけど
会社の規模に対して必要以上に負債を負わないというのもまた真なんじゃなかろうか


結婚の文化に関しては、町中で結婚用のトラックなんて見かけた事がないので、まったく実感がない
かなり昔はあったんだろうけど、今もそんな風潮があるのか?


食文化に関しては、合わないわけではないけど、そんなに好き好んで食べるほどではない といった感じでしょうか
でも、うちの冷蔵庫にも「つけてみそかけてみそ」が常備され、甜麺醤がわりに中華で甘い味付けするときに使ってるな
ただ、カツとかおでんとかには使わないので、一般的な名古屋での使われ方とは違ったものになるかな


言葉に関しては、イントネーションの違う人がたまにいるので、「地元民かな?」と思うくらい
某市長みたいなのは見かけた事ない



個人的な感覚としては「大いなる田舎」と言われているのがしっくりくる
実際に僕が住んでるところも、30~40分車を走らせれば都市の中心にいけるくらいの距離感にもかかわらず、畑や田圃が広がるのどかな環境なわけで
一地方の感覚のまま都市的なメリットを受けられる土地と考えたら、結構住みやすいところだと思うんだよね

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月2日
読了日 : 2021年7月19日
本棚登録日 : 2021年8月2日

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