今時も若者はこんなに静かに暮らしてるのだろうか。
あまりお金のない若者でのレス・ザン・ゼロだったらこうなるのだろうか。
(レス・ザン・ゼロ観たこと無いけど)
とても寂しく、物悲しさすら漂うくらしの若者たち。
でもよく考えたら自分もそうだった気がする。
四半世紀前の若者は、もっと景気良くお金をつかってはいたが
心中はこの小説で描かれるより貧しかった気がする。
貧しかった自分に気づけないほど貧しかった。
この小説に登場する若者は、今の息苦しさにうすうす気付いてなおもがく。
もがいてるつもりはなくても、居心地が良くなりはしないかと目配せくらいする。
ただ、状況が悪く、お金もあまりない。
昔の若者のとても馬鹿だけど金がそこそこあって、物欲に長けてるのと
どっちが不幸だろう。
失いかけている「何か」を感じてどうにかしようとする若者は
辛いだろうけれど、よく見えているし、幸せに近いところにいる。
女の子が元気で救われる。
女の子があまりに救われないと、見てられない。
とはいっても劇中の男連中のダメさ加減も大概だ。
しかしこのダメさも生き抜くための最低限の強かさの発露だろう。
もっとダメな人だと酷く引きこもるだろう。
やりがいを求めたり、昔の恋を引きずるなんて
まだ生の力が残っている。
残っている力であの通りというのが切ないのだけれど、まあしかたない。
恋愛体質の男の子は一人くらいしか居なかったようだけど
男の恋愛体質は多くないのだろうか。
昔は男女両方、だいたい恋愛体質だったように思っている。
そうでなかったとしても性欲か世間体で、ほぼ同じ動きをしていた印象だ。
今の子は、自分も他人も今もそれなりに見えてしまってるんだろうね。
そこはかとない諦観の物語。
このままでは終わりたくない。
終わりたくない物語。
昔とは様変わりした茫漠とした未来が
昔よりも、夜は冷たく昼は灼熱の、茫漠たる日々が押し寄せる。
終わらないロストジェネレーション。
踵を返すきっかけはまだ見つからない。
- 感想投稿日 : 2014年1月12日
- 読了日 : 2014年1月12日
- 本棚登録日 : 2014年1月12日
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