ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2011年10月18日発売)
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行動を観るだけでなく、観た結果、察するところまでもっていくことで、
モノゴトのあるべき姿や性質を見極めて、課題を抽出する。

入門書ということで、あくまで紹介ベースの内容しか記載されていない。
これを読んだからといってできるようになったり、
行動観察のためのフレームワークが身についたりするわけではない。

まずは知ることが第一歩ということで。

(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○ 「家事は達成感がないですね、私の中では」
 「褒められようなんて思ってないです。主婦になったら家事は宿命ですよね」
 家事に達成感がないという言葉には重みがあった。
 家事は毎日続く仕事である。しかも終わりがない。
 掃除、洗濯、ご飯の用意は、ずっと繰り返し続く仕事であり、
 「ある点で成し遂げたことを振り返る」タイミングがない。
 完璧にこなして当たり前であり、落ち度があれば指摘される。
 これでは「家事で達成感を感じよう」というほうが無理であろう。(P.47-48)
○「ヒックの法則」によると、
 「人間の意思決定にかかる時間は、選択行為おけるエントロピー量に比例する
 (T=blog(n+1) ※対数の底は2)」(P.69)
○プロスペクト理論とは、ごくごく簡単に言えば、
 「人間は得することよりも、損することを過大に評価する。
 そのために、得をしようと意思決定するよりも、損しないように意思決定する。)(P.76)
○Atention Restoration Theory(注意回復理論)という理論がある。
 疲れている人間が自然物を見ると集中力が回復するというものだ。(P.99)
○私たちは通常n数(サンプル数)を膨大に取っていない。
 というのは、仮説があったうえでそれを検証するのであればn数が多いのに越したことはないが、
 サービスにイノベーションを起こすためには、
 まず「何が課題か?」「どうすれば解決できそうか?」という
 「仮説を生み出すこと」のほうがはるかに重要だからである。(P.110-111)
○「僕はどうすれば優秀な営業マンになれますかね」という漠然とした
 一般論的な質問に答えるのは困難だが、
 「こういうシチュエーションで、こういうお客さんから、こういうことを言われたらどうすればよいか」
 という具体的な質問に答えるのはJさんにとっていとも簡単なことであった。(P.149)
○「生産性を上げることで余暇の時間を作ってもっと家族サービスをしよう」
 「生産性を上げて得られた時間で、次のビジネスをみんなで考えよう」
 といったように、何らかの前向きな理由の説明が必要である。(P.170)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年12月23日
読了日 : 2016年12月23日
本棚登録日 : 2016年12月23日

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