ポップス歌手の耐えられない軽さ

著者 :
  • 文藝春秋 (2021年10月8日発売)
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本棚登録 : 315
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桑田佳祐の斜に構えない自然体の語りが心地良い。先ず巻頭から下ネタ満載で毒気に当てられる。サザンというバンド名や『勝手にシンドバッド』という曲名の由来のいい加減さ、イントロをスティービー・ワンダーの 『Another Star』から拝借した話など、躊躇なく明かす。とはいえ、「アーティスト」の濫用に「いつの頃からか、歌うたいを「アーティスト」だなんて呼ぶようになったけど、あれ、ナンなんだろうね?アタシは小っ恥ずかしくて、とてもじゃないけと自分の事をそんな風に呼べやしませんよ。」とか、「真面目に語られるエンタメや芸人・タレントほど、つまらないモノは無い。行き着くところ「権威」や「人の道」で武装しないと、芸事も成立しないとしたら…ツライよなぁ。」などと揶揄するなど風潮への辛辣な意見も興味深かった。読みながら列挙された楽曲をもう一度聴いてみたくなる本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月31日
読了日 : 2022年1月31日
本棚登録日 : 2022年1月31日

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