太平洋戦争後に台湾に渡り、国民党に協力して対共産党への戦争準備に協力した元日本軍人達の団体がいた。彼らはそのリーダーの偽名の名字から「白団」と呼ばれている。これまで秘密とされてきた白団の真実に迫る・・。
というのが、この本の大きなテーマと言えるだろう。この本を手に取るまでは、白団の存在自体は知っていたもののどういった活動をしていたか詳しいことを知らなかったので、大変興味深く読むことが出来た。
これまでの自分のイメージでは「白団」というのは死に切れなかった軍人達が戦地を求めて台湾において軍事顧問団になった・・という程度のものしかもっていなかったのだが、本書ではそういう視点を越えて、蒋介石の嗜好や精神性、国際状況、そして個々人が身心に積み重ねてきた歴史というものがあわさって一つの組織が出来あがっている様を描いている。
台湾史というのはあまり「売れるマーケット」ではないという気がするのだが、こういう良質なノンフィクションは多くの人の手にとってほしいと感じた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
中国
- 感想投稿日 : 2015年1月4日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2015年1月4日
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