論文の書き方という本書のテーマにしては、全体的にまとまりがなく、論理的にしっかりと構成されておらず、だらだらと書いている部分が多いという印象を受ける。これは、時代が違いためなのだろうか。本書の書かれた時代には、日本人が論理的な文章を書くのにもっと苦労していた時代だったのかも知れない。例えば、古典の模倣がよいとされた美文主義の時代から、論理的な散文を書く時代への移行期の人々の苦労が書かれている。この移行は、集団から個人が出てくる過程だったのかも知れない。このように、本題と外れて、過去をふりかえることで、現在の文章を相対化して眺めることができるところに、面白さを感じた。
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- 感想投稿日 : 2020年7月23日
- 読了日 : 2020年7月23日
- 本棚登録日 : 2020年7月23日
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