男と女の理不尽な愉しみ (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2017年11月17日発売)
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本棚登録 : 321
感想 : 43

林真理子さん壇蜜さんの男と女にまつわる対談集。作家としての林さんに目をつけられたらお終いだと思うのだが(作家の目で冷徹に観察された上本の材料とされる)受けて立ったのが壇蜜さんなのか。何に対してもそうだけど、人は引き出す人によってその印象は変わるもの。壇蜜さんをただのグラビアの人とみるか、その奥に潜んでいるものをみるか。壇蜜さんの場合はその奥に何かがあるとみる同性のファンも多そう。そして流石に林さんというか壇蜜さんの考え方から今までの生き方からを引き出している。彼女自身が書いたエッセイよりも彼女の考え方が分かった気がする。林さんの対談なので芸能界で起こる男女の事件が出てくるのはわかっていたけれど壇蜜さんもそのほとんどを知っていたのは意外だった(文中でサンジャポに出演とあったのでそれが理由のよう)各事件をとても冷静に庶民目線で理解されてた。事件に関して同じ芸能界にいる人にはなぜ分からないのか不思議だったけど友達関係やらそういったしがらみのある人には庶民のような意見は言えないだけなんだなと感じた。壇蜜さんは芸能界に友達がいないと発言されてたので言える事も多いのだろう。そして時として目を疑うようなグラビアを披露する裏には遺体を保全するエンバーミングに携わっていた過去があるようだ。人間なんて肉の塊。実際に内臓から何から何まで見てきた人間には薄皮を被った外側なんてという気持ちになるかもしれない。
ふと発する言葉も魅力的なものがあった。例えば、女子校、男子校を「理不尽な箱庭」とか。長々と纏まりはない感想になったけれどとても面白くこの対談を読めた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年3月1日
読了日 : 2018年3月1日
本棚登録日 : 2018年3月1日

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