著者の旅が切実で、星評価をつけるということがあまり適切でない作品のような気もします(一応つけましたが)。『模範郷』だけでなく、所収の他の作品も読むのがいいと思います。言語、故郷、宗教、名前。多くの人にとっての「これが私」という感覚を支えるものが、この著者の場合、ひとつに“決まって”いない。もはや私には想像の及ばない戸惑いが書かれています。万葉のことばを通じた営みに著者が生命を見出した瞬間、古代の遠くまで現代の空も開けていくような想いになりました。
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- 感想投稿日 : 2019年7月7日
- 読了日 : 2019年7月3日
- 本棚登録日 : 2019年7月3日
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