デンマークにある小さな島、サムス島の、実話をもとにした絵本。
サムス島は、エネルギー自給プロジェクトのテストケースとして、島内の電力を自力でまかなう取り組みを始めた。
現在サムス島は風力発電をはじめとした再生可能エネルギーの成功例として「エネルギーの島」とも呼ばれているそうな。
このプロジェクトが始まって、リーダーは「わくわくした」。
立ちはだかる難題が、困難が、ではなく「わくわく」。いいなあ。
私は北欧やドイツで先進的な取り組みがなされるのをみると、つい初めから人間のできが違うんじゃないかと思ってしまう。
だけど、もちろんそんなことはない。
最初はみんな「なんでうちが?」「面倒」「予算が」と渋る。
話を聞くようになって理念に賛同しても、やっぱり自分が動こうとはしない。
島全体が変わるきっかけになったのは停電。
島中が真っ暗な中で、一足先に風力発電を取り入れていた人の家は皓々と明りをともしていた。
それでみんなが自分にできることを考えて実行し始める。
太陽光パネルを取り付けたり、車の代わりに自転車を使ったり、麦わらを燃やしたり、自分のスタイルにあったものを取り入れて変わり始める。
最初のほうの、人心の壁にぶちあたるところでほっとした。
先進的な人たちだからできたんじゃなくて、やったから変わったんだと思えるから。
きっかけの停電の部分でまたダメかもと思った。
日本はもうこれ以上ない「きっかけ」を経験している。なのにこの状態。
でもシェーナウの人の言葉を思い出した。http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4272330764
変化に必要なきっかけは人それぞれで、チェルノブイリが必要な人がいればもっと身近なきっかけが必要な人もいる。変化には時間がかかる。と。
変わりたければ変われるんだと希望をもてる良い本。
- 感想投稿日 : 2013年7月6日
- 読了日 : 2013年7月6日
- 本棚登録日 : 2013年7月6日
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