子育てが始まったばかりの身としては、育児の終了というのはまだまだ先だ。
今は、愛情と手間をたくさんかけましょう、の時期なので遠い先の話ではある。
しかし、そうやっているうちにあっという間に「大人」の時期がやってくる。
未来を見据えてちょっと勉強してみようか。
私は24の時に実家を追い出された。
つまらない喧嘩がきっかけだったが、あの経験がなければ独り立ちはもう少し遅かっただろう。
とはいえ、20歳で成人のはずだし、今や18歳で選挙権が与えられるというのに、私たちはきちんと大人になれているだろうか。
親子でくだらない会話をするのが大事だという(36頁〜)。
大事な話をする素地になるようだ。
確かに考えてみれば、昔からの友人にはくだらない話をしていた。
そのくだらない話の積み重ねで「親友」(私は恥ずかしくてその親友たちに親友だと言えないでいるが)になったように思う。
それと同じことのはずなのに、どうも家族というのは近すぎるせいかうまくいかないようだ。
”何でもいい”をやめる(108頁〜)。
これは特に男性にはしっかりと受け止めてほしい。
仕事をしていて思うのだが、男性、特に中年以上になると単語だけで会話を成り立たせようとする。
こちらが単語で返したらきっと「サービスが悪い」と苦情の一つも入れるだろうに。
相手が自分の状況を説明しない限り、こちらも回答してはいけない。
これはなかなか目新しい、でも実は皆が薄々感じていたことではないだろうか。
言わなければわからない。
当たり前だ。
以心伝心も美徳には違いないが、私以外他人なのだから。
本書はとてもユニークな本だ。
日本的な親子の密着をどう変えていくかを具体化していて面白い。
世間体を気にしながら子供の面倒をずっと見る、本書の言い方だと「ツンデレ」、これは良くないようだ。
親が子を思うなら、ある一定の期限を決めて、ダラダラさせない、これが双方のためになる。
このことを気にしながらあと10年、20年後に振り返ってみたい。できれば本書の内容が、うちには参考にならないな、と笑って言ってしまえるように。
- 感想投稿日 : 2016年6月8日
- 読了日 : 2016年5月21日
- 本棚登録日 : 2016年5月28日
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