BLACK JACK (12) (秋田文庫 1-12)

著者 :
  • 秋田書店 (1993年7月1日発売)
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感想 : 29
3

植物状態だと思われていた人が呼吸数でメッセージを伝えていた話、病院に入院していたら急に周りの人がよそよそしくなりインベーダーにすり替わったのだと思う少年の話、鬼子母神の話、復讐すべき相手のがん治療をする話、PKの話、身体から悪いところだけを取り出せる超能力を持つ人の話、熊を追って重症を負った男とその妹の話、亡霊の手術を依頼されたが本当に当人が病気だった話、学園祭荒らしの男が心筋梗塞を起こす話、ゲラというブラック・ジャックの学生の頃の友人の話。

病気で余命わずかだということを隠されている状態を「インベーダーがすり替わった」と思い込むのは子供らしい。
子供だからと言って本当のことを伝えないのも違うだろうと、今の感覚なら思うけど、昔は言わない方が良しとされてたんだろうなぁ。
言えないお母さんがとても辛そうでした。
最後のお母さんの手を掴んで「ぼくは死なないぞ‼︎」というシーンが良かったです。

ブラック・ジャックが探していた復讐する相手が病で死にかかってるとは。
復讐のチャンスもロクに与えられない、不幸な男だなぁ。。
なんともやりきれない気持ちになりました。

脊髄損傷をそのままにされ、サイコキネティックな力を使う少年の話もなんとも後味の悪い話でした。
あの親はなんなんだ。
毒親ってやつなのか。
可愛がるならちゃんと治療しろよ。
肝心なところで信じる対象を間違える、「バカな親」と言われていたけど、そういう人もいるんだなと思います。
やさぐれる少年を言い聞かせるピノコがめっちゃ頼もしかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 手塚治虫
感想投稿日 : 2022年8月11日
読了日 : 2022年8月11日
本棚登録日 : 2022年8月11日

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